在庫管理術
在庫品の管理【在庫品とは?製造業在庫品と非在庫品の課題を解消する方法】
在庫品とは?
在庫品と非在庫品の違い
製造業において、在庫品(ざいこひん)とは、自社の資産として管理する、製品や資材などの品目のことをいいます。
在庫品は倉庫もしくは工程横で保管され、在庫管理が必要です。一方、非在庫品は自社内で在庫管理を行わない品目をさします。都度調達する物品や、前工程と後工程の間を直接移動する製造中の仕掛品などが該当します。
在庫品は社内での保管が長期化すると、品質が落ち、デッドストックとなるため、過剰在庫にならないように管理が必要です。今回は製造業の在庫品の種類、それぞれの在庫管理の課題、在庫品の課題を解消する方法を解説します。
在庫品の基本的な考え方
納期の大幅短縮といった経営上の理由により、あえて多めに在庫を保有する、政策在庫をもつ、という選択肢もあります。
しかし在庫コストを鑑み、一般的には在庫は「少なければ少ないほどよい」、と考え方が基本です。トヨタ経営方式で有名な「ジャストインタイム 」も「必要なものを、必要な時に、必要な量を生産することで、在庫を徹底的に減らす」生産方式となっています。
在庫品の分類
企業によってどの在庫を在庫品もしくは非在庫品に割り当てるか考え方は異なりますが、製造業における一般的な在庫を分類しました。分類によって用途も、管理手法も異なり、それぞれに在庫管理の課題が存在しています。
- 直接材:原料
- 製品
- 間接材(副資材):生産資材、検査・梱包資材、研究開発材、一般消耗品
- 機械・工具:作業工具、機械消耗品(チップ・ネジ・ボルト)、機械予備品(モーター・ワイヤー)
- 販売メンテパーツ
在庫品の管理課題
分類ごとに在庫管理の管理課題を洗い出してみました。
- 直接材:液体や粉末等の管理がしにくい、システム入力に工数がかかる
- 製品:見込み生産で在庫が過剰になりやすい
- 間接材:管理がアナログで、発注が過剰になりやすい
- 機械・工具:発注が漏れて、欠品が発生しやすい
- 販売メンテパーツ:発注が漏れて、欠品が発生しやすい
在庫品と非在庫品の管理課題の背景
【在庫品】全ての品目を重点管理できない
多種多様な在庫品を、全ての品目をきっちり管理することは不可能なため、メーカーでは対象によって、管理方法を変えています。多くの企業で重点的に管理されているのは、製品の原料である直接材や完成した製品に限られているのが現状です。
しかし管理が手薄になりがちな副資材や予備品在庫の重要度が低いわけではありません。例えば梱包資材や製品の検査に使用する消耗品等は製品の出荷に欠かせない品目ですが、在庫が少なくなってきたら、担当者の経験に基づいて発注量を決定するというアナログで属人的な手法で発注量を決定するケースが多く見られます。
管理が必要な在庫のうちこれが欠品すると生産ラインが停止する、納期が遅れるという在庫がいくつもあります。
欠品による生産停止を恐れるあまり、本来必要な量よりも多めに発注・生産しておく、という姿勢が副資材の過剰在庫の背景にあります。
【非在庫品】工程内のモノの動きが把握しにくい
倉庫に保管されている在庫品以上に工程間にある非在庫品の動きは見えにくい、という特徴があります。前後の工程に在庫がいくつあるか把握しにくいため、製造現場では、見込み発注や見込み生産が発生します。
工程ごとに在庫量は変化し続けるため、工程同士がリアルタイムの在庫量を手動で共有しようとすると膨大な手間と時間が取られることがその背景にあります。
在庫管理課題を解消する重量IoTとは
在庫管理の課題は在庫を常に監視し続ければ解消できるものです。しかし常時監視は人間業ではないため、これまでどの企業も実現をあきらめてきました。
IoTが人の代わりに24時間365日在庫を監視し、在庫管理の課題を根本的に解決することができます。在庫管理システム「スマートマットクラウド」は、IoTが在庫のデータを取り、クラウドソフトが在庫を見える化します。
具体的にはIoT重量計に在庫を載せっぱ・置きっぱで、在庫を自動で把握します。発注点も設定できそれを下回ると自動発注、もしくはアラートも可能です。在庫履歴はグラフで確認でき、データを改善材料に活用できます。機械学習により在庫がまったく動かない等の異常検知も可能です。
「載せっぱ」で在庫管理課題を解消「スマートマットクラウド」
「スマートマットクラウド」は、重量センサを搭載したデバイスが重さで在庫量をリアルタイムで検知します。リアルタイムの状況把握が難しい構内物流の課題の解消に役立ちます。
IoTで在庫管理を自動化、工程カイゼン・DXを進める
スマートマットクラウドはリアルタイム実在庫の見える化で在庫管理、工程カイゼン・DXを進めるIoT SaaSプロダクトです。IoTで現場のモノの動きを捉え在庫管理を自動化、その上で工程内のモノの流れを分析し問題を見える化します。さらにリアルタイム実在庫データを武器に工程を跨ぐ流れの澱みを特定しDX、現場力の向上に寄与します。
在庫置き場に出向くことなくリアルタイムで管理画面から部品と仕掛品の在庫数を確認できます。在庫確認や補充タイミング把握のため、倉庫や工場内を走り回る必要はもうありません。
スマートマットクラウドは生産工程の進捗状況も可視化。
後工程からひとつ前の工程に、必要な部品を、必要なタイミングで、いくつ必要かを自動で伝えることで、製造業の生産プロセスに潜むさまざまな課題を解消します。
◆特徴
- 遠隔で在庫を一元管理:倉庫や各拠点の在庫を管理画面で一元管理
- 需要に見合った供給を実現:ひとつ前の工程に伝え、過不足なく生産できる
- 生産効率を最大化:リアルタイムかつ自動で伝え、ムダがない