在庫管理術
欠品をたやすく解決!自動発注する在庫管理システムとは?【IoT重量計で数えない・見に行かない・発注の手間がない】
どのような業種でも悩まされる「欠品」。特に製造業や医療における欠品は、生産ラインの停止や必要な治療ができないなど、クリティカルな問題に直結します。
この記事では、欠品が生じる原因と付随するリスク、また効率化・システム化することで、どのように欠品を解決するか詳しくご説明。最後に「モノの重さ」で在庫を管理し、また欠品防止に貢献する自動発注機能つきの在庫管理システムを紹介しています。
日頃から、欠品を防ぐために負担の大きい労力を強いられている方は、ぜひご一読ください。
欠品が生じる原因と付随して起こるリスク
原因① 整理整頓ができていない
欠品は、単純に倉庫や保管室などの整理整頓ができていないだけでも発生します。棚割されていない、ラック・引き出し・ケース等にラベリングがない、また雑然と物品が置かれていれば、必要なモノが品薄・欠品の状態であっても気づき難くなります。
こうなると、「どこに・何が・どれだけ」あるのか、全体像の把握は極めて困難。在庫の把握状況は、よくても属人化、最悪なら誰も知らないという状態に陥ります。
また整理整頓できていないと、欠品だけでなく過剰在庫や不動在庫など在庫圧迫の温床になりがちです。
原因② 入出庫処理が在庫台帳に反映されていない
入出庫処理、また入出荷処理情報が在庫台帳に反映されるプロセスで、「人」の介入が多い場合、ひとたびヒューマンエラーが起きれば台帳には正しく反映されません。実在庫と台帳上の理論在庫に乖離が生じることで、欠品や品薄に気づかないケースがあります。
ヒューマンエラーの筆頭は、処理伝票・帳票の記入ミス・回収忘れ、台帳への記入・入力ミス等です。単純な雑務に見える一方で、日々の繰り返しや別の主要業務がある、多忙であるなら誰しもが犯す可能性があります。
原因③ 各拠点に点在するモノ、施錠保管庫内の消費把握ができない
業務上の導線を考慮し、管理しているモノが各拠点に点在している場合があります。製造業なら工場建屋内やクリーンルーム内の一時仮置き場や配膳棚、介護施設や病院・宿泊業ではフロアごとのリネン室、規模の大きなオフィスでは複数フロアごとに置かれるドリンク・備品が当てはまるでしょう。
また研究機関や学術機関で使用される試薬は、法規制下にある危険物や毒劇物に分類されるモノがあります。その場合、施錠された保管庫や危険物倉庫での保管が法律で定められています。
このような各拠点に点在したモノや施錠された保管庫内のモノの消費を把握するには、時間と手間がかかります。そのため発注担当者と使用者の間に、適切な処理・手続きや密なコミュニケーションがなければ、品薄に気づかず欠品に至ることは少なくありません。
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原因④ 主力製品・商品ではない副資材や備品等は見落としがち
製造業やインフラ業、医療・物流・宿泊業、またアパレル・店舗等のあらゆる分野において、業務や売上に直接関わる物品の在庫管理には力を入れていても、梱包材や文房具・販促物、掃除・洗浄液といった副資材や備品の在庫管理は甘いケースが多々あります。
これらは欠品したとしても、近在のコンビニエンスストアやドラッグストア、ホームセンターで代替品をすぐに購入できれば、大きな問題にはなりません。しかしカスタムサイズの梱包材やロゴ入りの販促物、製造業や医療・介護で特殊な洗浄液を使用している場合、欠品は大きな問題となります。
原因⑤ 消費分析ができていない
在庫管理台帳が杜撰に扱われていたり、複雑に過ぎたりすると、過去の消費や発注履歴の可視化や分析ができず、消費流動を正しく把握することができません。そのため季節要因や外部要因に対する需要の見込みが甘くなり、欠品に繋がることも。
消費分析の水準の低迷による欠品は、製造業や小売業にとっては大きな機会損失です。また医療業界やインフラ業では信用問題にも関わるクリティカルな事態を招く恐れがあります。
リスク① 欠品を恐れ、却って過剰在庫に陥る
欠品を恐れるあまり、モノを過剰に発注し在庫を持ってしまうケ-スもあります。これは前述の「消費分析ができていない」ことがトリガーとなり、安全在庫※1と適正在庫※2を正確に算出・把握できていないことから生じるリスクのひとつです。
過剰在庫を持つリスクのひとつに、消費が追いつかず使用期限切れや有効期限切れとなり、せっかく購入したモノを廃棄せざるを得ない状況に陥ることがあります。また「捨てた」ために、品薄となり急ぎで発注をかけても納品が間に合わず、結局は「欠品」に至ってしまった事例も少なくはありません。
特に医療や化学工業・食品業で扱うモノは、保存条件や使用期限が定められていたりします。そのために過剰に在庫を持つと、廃棄しなければならない状況になる傾向があるので、注意しましょう。
さらに過剰在庫に陥ると、倉庫や保管庫の物理的なスペースを圧迫するだけでなく、キャッシュフローの悪化に直結する「在庫圧迫」の状態となります。放置すると、不動在庫や不適切な在庫循環が多発し、会社の経営にも悪影響を与えかねません
※1:安全在庫とは、欠品を防ぐための在庫の下限値のこと。
※2:適正在庫とは、在庫数の下限だけではなく、上限も決めて過剰在庫を防ぐ在庫数のこと。
引用:在庫管理110版「安全在庫の計算方法と設定の注意点」(閲覧日2024年8月8日)
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リスク② 発注プレッシャーに追われる
欠品にも過剰在庫にも陥らない状態を人力で保つためには、在庫確認や発注担当者を決め、適切に発注を掛ける業務を常態化する必要があります。
しかしながら近年ではどの業界も人手不足に悩み、単純に在庫確認と発注業務だけを行う専任スタッフを置くわけにはいきません。別業務と兼任しつつ、発注業務に携わることが多いようです。加えて在庫確認や発注業務が、本業ではないケースのほうが数多く見受けられます。
そのため、多種多彩な業務をこなせたり、モノの流れを俯瞰的に見れたりという優秀なスタッフに発注業務が偏ることも。そうなると担当者が絶えず発注プレッシャーに追われ、本業に集中できず、本来の業務に「やりがい」を見いだせない負のスパイラルに陥ります。
結果、優秀な人材の離職に繋がったり、在庫把握や発注業務の属人化により離職されると業務が滞ったりするリスクと常に隣り合うことになるでしょう。
リスク③ さまざまな業務担当者が実在庫を確認しに行く
「欠品」が繰り返されたり、クリティカルな問題に拡大したりすると、「在庫台帳」に記載されている在庫数量※3はもはや信頼できません。そうなると、在庫管理者や発注担当者以外のスタッフが、実在庫を確認しに倉庫や保管場所にわざわざ足を運ぶようになります。
例えば、製造業では製造現場の班長クラスの従業員、クリニックでは医師や医院長、宿泊施設や病院・介護施設では実際にリネン等を交換するスタッフや統括部門のマネージャーが該当します。
在庫管理や発注業務に本来は従事していないスタッフによる確認作業、また品薄や欠品を発見した際に発注依頼を担当者にかける作業が発生するのは、労力やリソースの無駄使いと言えるでしょう。
※3:この場合の在庫数量は納品書や入出庫伝票を基にした理論在庫のこと
欠品をシステム化・効率化により解決する方法
「欠品」は在庫管理をシステム化し、なかでも以下の手段を採ることで、大幅に欠品を生じにくくさせられます。
- 入出荷・入出庫の情報を人手を介さずに在庫台帳に反映させる
- 遠隔から実在庫の把握を容易にする
- 各拠点に点在する在庫の数量・ロケーションを一元管理する
- 管理物品の特性により各種識別ツール※4を併用しても一元管理する
- 管理の難しい物品や膨大なSKUを管理できるシステムを選ぶ
- カウントが不可or難しい管理物も数量/分量差異を最小限に抑える
- さまざまな業務スタッフがリアルタイムで在庫情報を閲覧できる
- 消費・発注履歴の可視化・分析をカンタンにできる※5システムを選ぶ
- 5s3定に自然と帰着するシステムを選ぶ
- 法令遵守のための工数が削減可能なシステムを選ぶ
手書き伝票や回収作業、PCへの手入力や台帳記入など人手を介する工数を無くすことで、ヒューマンエラーによる実在庫と理論在庫の乖離は限りなくゼロに近づきます。
遠隔から実在庫データを確認できれば、在庫管理や在庫発注の業務における労力と時間の大幅な削減が可能です。さらに手元で確認できる在庫情報が、リアルタイムの実在庫情報に近ければ近いほど、迅速なアクションに直結。
「欠品」を抑制するだけでなく、適正在庫の維持や機会損失の回避にも寄与します。
※4:バーコードやQRコード、RFID、IoT重量計、AIカメラなど物品識別ツール
※5:もしくはAI学習ロジックで精度の高い分析やアドバイスを受けられる
欠品させない。重さで在庫管理する「スマートマットクラウド」は自動発注ができる!
IoT重量計を用いたスマートマットクラウドの仕組み
IoT重量計である「スマートマット」に管理したいモノを載せるだけでOK。24時間365日いつでも重量変化を捉えクラウドにデータを転送します。積載されているモノの重量から在庫数量/割合を自動で算出し、管理画面上でいつでも確認が可能です。
保管場所等に関わらず、管理画面を開けばそこに「実在庫データ」が一覧表示。今まで遠隔からは入手困難だった実在庫データを武器に、欠品を防止するための具体的な改善・解決策を講じられます。
重量で個数/割合を自動算出し表示。管理物品はマットに紐づけ
液体や粉体など数えられないモノ、小さなネジやナットなど数えにくくSKUが膨大にあるモノでも、1個(1缶/1袋)あたりの重さ※6から個数や割合を自動算出します。より正確な実在庫データを確認できるため、欠品が生じる可能性は限りなくゼロに。
また管理物品は初期設定時に1商材、1マットに商品情報を紐づけします。管理物品を適切なマットに載せることを周知徹底すれば、自然と5s3定が整った状態となるでしょう。
※6:初期設定時に商品マスタに登録するデータのひとつ
自動で発注。閾値や発注点もAIでリコメンド
スマートマットクラウドが他の在庫管理システムと一線を画す点は、在庫の残量をトリガーとした自動発注機能。予め決めておいた閾値を下回ると、サプライヤー先に合わせたスキーム・フローで自動発注をかけてくれます。
自動発注は定期発注方式・定量発注方式の双方に対応。さらに手動発注にも切り替え可能で、在庫数量が閾値を下回ると発注アラートを送信します。
また60日分の在庫履歴がたまれば、AI学習ロジックがより最適な閾値や発注点をリコメンド。加えて予測した消費スピードを超える過剰消費があれば、管理画面などに異常アラートを迅速に送信します。
「欠品」を恐れて過剰に発注したり、発注プレッシャーに追われて本業が疎かになったり、何度も在庫数量の確認に行ったりすることはもうありません。
ひと目で分かる推移グラフで消費予測も容易に
発注や消費による在庫の重量変化を推移グラフでカンタン表示します。ハイレベルなITリテラシーは不要。だれもが分かりやすい推移グラフで消費予測を立てやすく、過剰在庫や欠品の予防に繋がるデータ活用が可能です。
また可視化されたリアルタイム在庫データの活用は、生産や業務遅延の抑制となり、さまざまな機会損失を防止。さらに不動在庫も突き止めるため、キャッシュの正常化に貢献します。
スタッフのスキル・体験の向上と人手不足の解消
スマートマットクラウドを導入することで、在庫のカウント・スキャンなど単純ながらも時間のかかる作業から人を解放。人でなくてはできない主要業務に専念できる環境を整えることで、スタッフに価値ある体験を与える職場環境や企業風土に変革されます。
またモノの流れを見える化することで、今・どこに・何が必要かをリアルタイムで把握。製造業であれば、効率の良い補充や配膳に寄与し、工程間の澱みを効率的に抑えます。その他の業界でも各拠点に点在しているモノの一括購入も瞬時に完了。大切な人材・リソースを重要な業務に回すことが可能となります。
欠品防止に成功!スマートマットクラウド導入事例
スマートマットクラウドの自動発注や発注アラート機能を効率的に活用して、「欠品」を防止し、機会損失を防いだ製造業と接患のクオリティが向上したクリニックの事例をご紹介します。
▼欠品トラブルは通知メールで解消(株式会社日立産機システム)
製造部品の欠品により、生産ラインが停止。現場作業員の手待ち時間やロスタイムなど機会損失として大きな影響が出ることがあった。スマートマットクラウドの導入で、在庫が閾値を下回った時の社内アクションが格段に早くなり欠品防止に。