在庫管理術
在庫調整| 需要に見合った在庫量に近づける必要性と方法とは
在庫調整とは
在庫調整とは企業が抱えている在庫を出荷の量に合わせて調整することをいいます。在庫が少なすぎて機会損失を招いているケースでも在庫調整は必要ですが、主に過剰になっている在庫を削減する目的で行われています。
今回は在庫調整と景気の関係、在庫調整の方法、在庫調整の課題やその解決法について解説します。
在庫調整と景気
企業が抱えている在庫の量と出荷量は、景気の影響を大きく受けるため、経済指標として利用されています。生産と在庫のバランスを示す在庫循環図では、企業がおこなう在庫調整の活動によって景気を4つの局面に分けることができます。
▼在庫循環図における4つの局面
- 在庫減局面:景気が良い時。出荷が増え、在庫が減少する
- 在庫積み増し局面:景気がピークの時。出荷が増え、企業は増産体制に入るため、在庫も増える
- 在庫積み上がり局面:景気が下り坂の時。出荷が減少し、在庫が増加する
- 在庫調整局面:景気が悪い時。出荷は減っているが、企業の在庫調整により在庫も減少する。
在庫調整の方法
社内の在庫を削減する場合、在庫調整には、大きくわけて2つの方法があります。
①すでにかかえている滞留在庫を処分する
値引き販売や在庫の廃棄処分で、すでに抱えている在庫を減らすことができます。
動きの鈍い在庫を減らすことによって、キャッシュフローを改善し、売れる商品との入れ替えを進めることができますが、当初想定した売上より大幅に下回ったり、逆に廃棄手数料がかかったりするデメリットがあります。
②仕入数や生産数を減らす
これから仕入れたり製造したりする在庫の量を抑えることで、在庫量を削減する方法です。
製造業の場合は従業員の労働時間や賃金を減らすことにつながることもあり、社内の調整が難しいというデメリットがあります。
在庫調整のすすめ方
実際に在庫調整をおこなうときは次のような手順を踏んで進めます。
1 過剰在庫を減らす
停滞在庫を割り出し、置き場が分散している場合は1箇所にまとめ、販売促進や廃棄のプランをたて実行する
2 欠品をなくす
欠品が発生している在庫を割り出し、リードタイムの短縮、発注方法の見直しを行う
3 安全在庫の定期的な見直し
在庫の安全在庫をこまめに見直す
在庫調整の課題
健全な経営に欠かせない在庫調整ですが、実際に実行するとなるとさまざまな課題にぶつかります。主な課題と対応方法についてまとめました。
需要変動が予測できない
仕入れや生産量の決定は「どれだけ売れるか」という需要予測を元に行います。過去の在庫変動や販売データがあれば需要予測の精度を上げることができます。
在庫調査が大変
在庫調整では日々正確な在庫量の計測が必要になります。在庫調整のためにこまめな棚卸を行うと大きな負担に。また帳簿在庫と実在庫が乖離していると在庫調整の失敗につながります。また継続的な在庫情報や生産量・仕入れ情報の共有の手間が担当者の負担となります。
社内調整がうまくいかない
品切れを起こしたくない現場と在庫金額を圧縮したい経営者、需要に合わせて生産量を抑えたい経営者と安定した雇用と収入を求める労働者というように、部署やポジションによって意見が別れ、社内調整が難航することがよくあります。
適正在庫の判断が人によってバラバラ
在庫管理では機会損失を起こさない安全在庫の量を決める必要がありますが、安全在庫を決める判断を人の勘に頼っているケースがよくあります。
需要予測同様、過去の在庫変動や出荷数のデータを元に適切な安全在庫数を決定することが肝心です。
このような課題を解決する手段として、IoTシステムに着目する企業が増えています。
在庫調整に欠かせないIoT
在庫調整を実行する前提として、日々の在庫調査や棚卸をこまめに正確に行う必要がありますが、全てを人の手で処理するとなると大きな労力とコストが必要になります。
在庫管理専用のIoT機器を導入することにより、在庫管理の自動化が可能になり、正確な数値を自動で把握し、記録することができます。
IoTはデータを自動的に蓄積するのも見逃せないメリット。より正確な需要予測をたてたり、現実にあった安全在庫を算定したりする上でも、IoTは欠かせない存在となっています。
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