在庫管理術
需要予測|需要予測とは?目的や方法と予測精度を上げるIoTとは
需要予測とは【意味・目的】
需要予測(英語:Demand forecast)とは、市場において会社の商品やサービスがどれくらい売れるかを、さまざまな形であらかじめ予測することです。
需要予測を正しく行えば、過不足のない適正在庫を確保することが可能、販売の機会損失や過剰在庫を抱えるリスクやコストの増加を減らすことができます。
この記事では、需要予測の方法・手法・必要なデータ・モデルや事例についてわかりやすく解説していきます。
さらに、需要予測の精度を高める話題のAIやIoTについてもご紹介!
需要予測の業界モデル・事例
小売、製造、食品、物流、コンビニ…などさまざまな業界で市場のニーズや傾向を捉えるために取り組まれている需要予測。
では具体的にどのような業界で使用されているのか、事例をいくつかピックアップしました。
- タクシー業界=場所ごとの正確な乗客数を予測する「配車システム」など
- 小売やアパレル業界=売り上げ予測、値引き予測など
- 飲食業界=来店・来客予測など
このように、さまざまな業界で需要予測を行うことで、販売機会の損失防止や業務効率化、新商品の開発など多くのメリットが生まれています。
需要予測の方法・種類
- 需要予測の方法は以下の2つに大きく分類されます。
-
- 統計的な予測
過去の実績やデータをもとに需要量を予測する方法。 - 人的な経験による予測
顧客や店舗の販売員、代理店、営業担当者などの経験や判断、勘(カン)をもとに需要量を予測する方法。
中小企業では、担当者の長年の経験と勘(カン)から需要予測していることもまだありますが、このやり方では、特定の担当者しかやり方が分からない状態になり、需要予測が標準化されないことも。 - 統計的な予測
また、担当者が退職や離職などでいなくなった場合に、これまで行なっていた需要予測が上手くできなくなるといったリスクもあります。
顧客のニーズや消費傾向が目まぐるしく変化する近年は、データをもとに統計的な予測を行う企業も増えています。
そのための需要予測システムや在庫管理システムの導入も進められています。
需要予測の手法
需要予測の方法には、以下のようにさまざまな方法があります。
- 移動平均法
過去の売上の移動平均を算出して将来を予測する手法。移動平均法による平均単価の求め方は、以下の通り。
移動平均単価=(受入棚卸資産の評価額+在庫棚卸資産の金額)÷(受入棚卸資産数量+在庫棚卸資産数量) - 指数平滑法(しすうへいかつほう)
前期の実績と前期の予測をもとに、今月の予測を求める手法。計算方法は、以下の通り。
(今期の予測)=a×(前期の実績)+(1-a)×(前期の予測)
*a=平滑化係数。前期の実績が前期の予測からどの程度離れていたのかを調整する係数。 - 回帰分析法
因果関係があると思われる変数(時間や販売数量など)間の関係を、Y = a + bX といった直線の形で記述する統計手法。 - 加重移動平均法
移動平均法で算出された値に期間ごとの情報をプラスした手法。各月の販売数量に加重係数をかけ合わせて求めます。
一般的に広く利用されているのは、移動平均法と指数平滑法です。それぞれの特徴を見極めて、自社に合ったものを選ぶようにしましょう。
需要予測のツール【エクセル・在庫管理システム・AIやIoT】
需要予測には主に以下のようなツールが導入、使用されています。
- エクセル(Excel)
標準機能の回帰直線を使って予測する。FORECAST関数や重回帰分析を使って予測するTREND関数などの関数を使用。コストがかからず、すぐに始められる。 - 在庫管理システムなどの需要予測システム
需要予測機能のある在庫管理システムを使用。製品にもよるが導入コストが高いものもある。 - AIやIoT
AI(人口知能)やIoT(モノのインターネット)を使用して、高精度の需要予測が可能。
次の章では、今、各企業が続々と導入を開始しているAIやIoTについてわかりやすくご紹介します。
需要予測の精度を高めるAIやIoT
AIとは、人工知能のこと。企業が蓄積したビッグデータを活用、機械学習を行い、商品やサービスに関連する需要や市場調査、予測アルゴリズムを構築します。
実際に、富士通やキャノンなどの大手の企業が、AIを利用した需要予測サービスを展開しています。
また、IoT(アイオーティー)とは、英語のInternet of Thingsの略で、「モノのインターネット」という意味です。
あらゆるモノをインターネット(あるいはネットワーク)に接続する技術のことで、具体的には以下のようなことを可能にします。
- 離れた場所からモノを操作する
- 離れた場所からモノの状態を把握する
- モノや人の動きを検知する
- モノとモノとを繋ぐ
IoTを使った家電や設備には、センサーやカメラなどが搭載されており、モノの状態や周辺環境といった情報を感知・収集し、インターネットを介して、それらのデータを人やモノに伝えます。
小売業、製造業、飲食業、ホテルや旅館業界などもIoTを導入することで、在庫状況などを把握し、より効率的な在庫管理や棚卸・発注が可能になります。
搭載されているセンサーは、機器によって光センサーや温度センサー、重量センサーなどさまざまです。
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