在庫管理術
棚卸代行|業者のサービス・費用やメリット・デメリットを紹介
そもそも棚卸はなぜ必要?
棚卸は、会社の資産を管理する上で重要な業務です。そもそも会社が保有し、実地棚卸が必要な資産には棚卸資産と固定資産があります。そのため決算などのある一定の時点で、会社がどれくらいの資産を保有しているかを正確に調べるために、実地棚卸が不可欠となってきます。
棚卸や売上高、仕入高が正確でないと、企業の利益を正しく把握できません。正確な企業利益を把握することで、税務申告や株主総会などで正しい売上総利益を報告することが可能です。
また実地棚卸は決算時の資産・利益把握だけでなく、過剰在庫や滞留在庫、欠品の恐れが生じるモノの有無を把握し、在庫管理の適正化も促します。
●棚卸資産とは
棚卸資産とは企業が保有する流動資産のうちのひとつ。販売目的で一時的に保有している商品・製品・原材料・仕掛品がこれに該当し、一般的には在庫とも呼ばれます。また販売予定がなくても、販売収益を得るために使用する事務用品や消耗品もこれに当てはまります。 ●固定資産とは企業が保有している販売目的ではない資産物品のうち、使用期間1年以上かつ取得価額10万円以上のものが該当します。例としては自社ビル、社用車、機械設備、検査機器、高性能カメラや測量機器、PC、コピー機などがこれに相当します。 |
棚卸資産と固定資産の実地棚卸とは?
棚卸資産つまり在庫の実地棚卸は、企業が販売目的で保有するモノとそれに付随する消耗品を正確にカウントする業務です。
そして半期、もしくは四半期に一度の決算などある一定の時点で、帳簿棚卸にある理論上の「在庫」とその時の実在庫の総数を比較し、その差分を修正もしくは処理する必要があります。
一方で販売目的ではない固定資産の実地棚卸がどういったものかと言うと、固定資産管理台帳に登録されている固定資産が実際に存在し、適切に使用されているかをひとつ一つ確認する作業です。
例えば、建設現場で使う土地面積測定計や、プロモーションビデオで使う撮影道具一式などの貸出品が棚卸対象となります。またリース品*1も固定資産として計上されます。貸し出された物品やリース品について実際に現物があり、適切に使われているかを現場に赴き確認しなくてはいけません。
また固定資産管理台帳に登録されている自社ビル・工場設備などは稼働していなければ資産と見なされないため、数をカウントすると言うよりは利用状況を確認する必要があります。
*1:リース品に関しては特殊な「所有権移転ファイナンスリース」以外、所有権は貸主側にありますが、契約期間中の破損や紛失に関しては借主側が責任を負います。また不要なリース品の契約更新による遊休品の発生を防ぐためにも、リース品の管理・トレーサビリティ・棚卸は借主にとっても不可欠です。また契約内容によっては借主が減価償却する必要があり、資産計上は煩雑となります。
棚卸代行とは?業者やサービスの内容は?
実際のモノの総数を正確にカウントする「実地棚卸」は、労力と時間がかかる上に人員の投入が必要であり、かなり大掛かりな業務です。店舗であれば営業時間外や店舗を休業したり、工場であれば操業を停止したりして実施することがあります。
また、固定資産が貸し出されている場合、「どこで・誰が・どのように使っているか」をひとつ一つ現場に赴き確認しなくてはいけません。
「棚卸代行」とは、そんな実地棚卸の業務を代行してくれるサービスのことです。そして棚卸代行には実在庫の棚卸を代行するサービスに特化した業者と、固定資産の棚卸を代行するサービスに特化した業者がそれぞれあります。
実在庫の棚卸代行
まず在庫の棚卸代行には、棚卸資産の評価方法である原価法に合わせたモノの単品棚卸や、売価還元法に合わせた金額棚卸があります。
単品棚卸は商品をひとつずつカウントし、実在庫をデータにしてまとめます。そして理論在庫である帳簿と照合する棚卸方法。一方で、金額棚卸は物品をそれぞれカテゴライズし、各売価を入力してからカウントしていく棚卸方法です。
固定資産の棚卸代行
固定資産の棚卸代行は台帳に登録されている物品で、主に貸し出されるモノの管理をシステム化することで受けられるサービスのひとつ。
貸出品やリース品にビーコン・RFID・バーコード・QRコードといったトレーサビリティに優れた媒体や、記録・識別に優れた媒体を取り付けることで、物品の一元管理を可能にします。
そうすると棚卸の際に担当者がわざわざ現場に赴くことなく、資産管理用のアプリと各種コードを使い利用者に棚卸をさせることができます。
物流業者が保有するトラックやリフト、またリースで一時保有している、もしくはリース品の所有者で物品が数多くある場合も、このような実地棚卸が有効でしょう。
ただし固定資産のうち、不動産や自社ビル・工場の建屋・生産ライン・機械など減価償却の有無や資産価値の変動があるものの多くは、会計士や税理士が資産評価を行います。そもそも個数をカウントすることに労力がほぼ必要ないため、棚卸代行をする業者は非常に稀です。
棚卸代行のメリット|物品カウントの精度が良い
棚卸代行サービスはそのスタッフが棚卸しを本業としているため、以下のようにさまざまなメリットがあります。
- 物品カウントの正確性・迅速性が高い
- 店舗の営業や工場の操業を止めなくてよい
- 自社の従業員・作業員の実地棚卸教育を軽減
- 棚卸代行の利用で棚卸の客観性が担保できる
営業や操業停止による機会損失を防ぎ、さらに棚卸の正確性や客観性も担保できる棚卸代行は、第三者における会計監査においても有利だと考えられます。
ただし企業や事業所、店舗によっては日頃から棚卸しのために必要な在庫管理、つまり資材の納入から入出庫、出荷の流れ*2が適切に管理できていない場合があります。
そういった顧客のために、問題点を洗い出し適切な在庫管理方法を提示するコンサルティング業を兼ねている棚卸代行の業者もあります。
*2:製造業の場合。小売業の場合なら商品の納入・先入先出・販売という流れ、クリニックなら注射針などの消耗品の納入・使用・廃棄という流れとなり、それぞれの業態に適したさまざまな在庫管理方法がある。
棚卸代行のデメリット|費用がかかる?
棚卸のプロと言っても、さまざまな業種や企業形態があるなかで、全てのモノのカウントがスムーズにできるわけではありません。
そのため、棚卸代行サービスを利用する前に、次のデメリットをおさえておきましょう。
- 資材、製品、中間品、仕掛品などの分別が難しい
- 消防法により定められた危険物の棚卸しには免許保持者の立会いが必要
- 毒劇法により定められた毒劇物など特殊なモノの棚卸代行は難しい
- 見積もりより費用がかかる場合が多い
- 希望する日程で予約が取れない場合がある
小売業が扱う商品や、PCや撮影道具などの資産は誰しもが分別しやすいモノです。しかし例えば、製造業では業種毎に取り扱う資材・製品が複雑で見慣れないものが多く、また医療業界では医薬品やワクチン・治具の類似など、棚卸業者にとっては物品のカテゴライズが難しいと考えられます。
さらに消防法や毒劇法のため、扱うモノによっては代行サービスを受けられない可能性もあり、全ての業種で棚卸代行が最適解であるわけではありません。
また費用に関してですが、棚卸代行の費用に関しては一般的に以下のような内容で決められます。
棚卸代行の費用=(①顧客の業種・在庫状況毎の単価)×(②実地棚卸でのカウント総数)
まず見積もりの段階で①の単価は確定しますが、②については実地棚卸が完了しなくてははっきりとした数字が出ません。代行業者もカウント数の範囲をある程度は見積もっった費用を提出するとは思いますが、見積もりより費用がかかったという声もあります。
さらに上記の中では「希望する日程が予約できない」ことが最たるデメリット。これができなければ、決算や会計報告に間に合わない、もしくは間に合わせるのに代行サービスを受けてから、ほぼ連日残業して会計報告書等を作成するという可能性もあります。
あらゆる物品を載せておくだけで実在庫管理を可能にする重量センサ
どんな物品でもリアルタイムの在庫状況を把握できる重量センサの技術を紹介します。
液体・粉体・数えにくい小さな部品など、あらゆる物品を重量センサに載せておくだけで、正確にモノの数量をカウント。個数だけでなく%でも表示できるので、今まで難しかった液体や粉体の正確な管理が可能です。
重量センサ上部は強化ガラスにより薬品・衝撃に強く、危険物や毒劇物にも対応可能。A6からA3までの幅広いサイズを展開し、それぞれの計量単位*3や耐荷重*3により管理したい物品に最適な重量センサを選べます。
*3:A6サイズ(計量単位:1g・耐荷重2kg)〜A3サイズ(計量単位100g・耐荷重100kg)
また複数台のスマートマットを組み合わせることで、数百kgの重量物も管理できます。
それぞれの重量センサに載せた物品情報を紐づければ、あとは自動で計測しデータを転送。いつでもリアルタイムの物品量が把握できるのでもう実地棚卸をする必要はありません。
「スマートマットクラウド」でもう棚卸はしない!リアルタイムの在庫を自動でカウント
現場のあらゆるモノをIoTで見える化し、発注を自動化するDXソリューション「スマートマットクラウド」を使えば、棚卸の超効率化だけでなく、リアルタイムの在庫管理や欠品を防止する自動発注など、在庫管理に関わるさまざまな自動化が可能です。
重量センサであるスマートマットが自動でモノの在庫量を検知、クラウド上でデータを管理し、リアルタイムで最新の在庫データを取得。また、あらかじめ設定してあった閾値に達すると、自動で注文もしくは発注アラートをかけます。
スマートマットクラウドの管理画面を利用して、さまざまな物品を遠隔で一元管理できるので、実地棚卸はもう不要。さらにバーコードやRFIFとも併用できるので既存の在庫管理や固定資産管理の業務に負担なく導入できます。
◆特徴
- 棚卸負担を軽減:棚卸の自動化で作業工数を大幅削減
- 棚卸差異を縮小:重量計測により正確な在庫数を自動記録
- 機会損失回避:棚卸のための生産ライン停止が不要に
さまざまな自動発注に対応
お客様の発注先に合わせた文面でメール・FAXの送信が可能です
在庫圧縮を促進
推移を把握できるグラフで適切な在庫量を判断し、在庫圧縮を促進します
置く場所を選びません
スマートマットはA3サイズ〜A6サイズまでの4サイズ展開。ケーブルレスで、冷蔵庫・冷凍庫利用も可能。
API・CSVでのシステム連携実績も多数
自社システムや他社システムと連携を行い、より在庫管理効率UPを実現します。
棚卸の課題を解決し、効率化するスマートマットクラウド導入事例
スマートマットクラウドは、現在多くの企業様に導入いただいています。導入をきっかけに棚卸における課題を解決した事例をご紹介します。