在庫管理術
バーコードで在庫管理するには?【スマホアプリは使える?エクセルでコードは自作できる?】
こちらでは台帳や伝票への記入・回収などアナログな手法に偏った在庫管理を脱却し、バーコードからモノの情報を識別して在庫管理を行う「バーコードでの在庫管理」について詳しく説明しています。
記事内では、バーコードの在庫管理システムを利用すると、どのように在庫管理が効率化されるのか、その特徴から課題までをご紹介。またバーコードで在庫管理するよりカンタンに在庫管理の効率化を図れるソリューションと導入事例をご紹介しています。ぜひ最後までご一読ください。
バーコードによる在庫管理とは?特徴をご紹介
バーコードはそれぞれ13桁以上*1の数字の羅列として策定されます。これらの数字は、太さの異なるバーとスペースを組み合わせた1次元シンボルとしてバーコード化。バーコードとしばしば比較されるQRコードは2次元シンボルに分類されます。いずれもスキャナーやスマホアプリで読み取れ、非接触でモノの自動認識が可能です。
バーコードを在庫管理に使う場合、既存のバーコードを利用するか、自作*2したバーコードを利用。バーコードから識別された情報は、基本的には上位システムに転送され、そこで数量確認や入出庫状況・入出荷状況などの在庫管理をします。
*1:JANコードで簡易的なモノなら8桁
*2:コードの自作・発行についての詳細は後述
特徴① バーコードにはどんな情報が入っているか
身近なバーコードの多くは「JANコード」と呼ばれ、商品の製造メーカーや商品アイテム情報を含みます。また物流業界で用いる「ITFコード」はJANコードの情報に加え、商品の複数単位や荷姿の情報が入っています。
他にも医療用医薬品コードである「GS1データバー」や「GS1-128」は製造ロットや有効期限の管理情報を含みます。またISBNという書籍コードからは、出版社や著作名を特定することが可能です。
特徴② バーコードリーダーとハンディターミナル・スマホアプリで処理能力が異なる
バーコードを識別するには、スキャナーと呼ばれる「バーコードリーダー」もしくは「ハンディターミナル」を利用します。バーコードリーダーとハンディターミナル(もしくはスマホアプリ)ではデータの処理能力が大きく異なります。
バーコードリーダーは、スキャンしたバーコードを数字/文字に変換する機能しか持ち合わせていません。モノが複数個ある場合に数量をカウントするには、「スキャンを繰り返す」という動作が必要です。その他の入出庫などの在庫情報は、バーコードリーダーに接続されたPC端末などの上位システムで処理・更新する必要があります。
一方でハンディターミナルは、機器単体にテンキーをはじめ各種機能が付随しているため、数量入力・入出荷・入出庫などさまざまな在庫管理データの処理・更新が可能。さらに受注処理・売上データ収集にも活用できます。またPC端末などに接続する必要はありません。
近年では、識別アイテムとして「スマホアプリ」が登場。ただし一般のアプリストアで購入できるうちの大半は、バーコードリーダーと同じ機能しかありません。ハンディターミナルと同等な高性能アプリは、バーコード在庫管理システムの運営企業からアップセルや拡張機能の一端として販売されています。
特徴③ モノの内容・数量を確認しながら識別できる
人が現場でモノの内容や数量を確認しながら、バーコードをスキャンすることでモノの品名・数量を自動識別できます。識別からシステム間のデータ移行に人手が介入しないため、ヒューマンエラーが入り込みません。そのためシステム内の情報と実情報との乖離は少なくなります。
例えば、仕入れたモノがどのような状態・数量で納品されたか、検品作業と並行しながらモノの品名・数量をバーコードから自動識別することが可能。出荷作業も同じく、検品や梱包作業をしつつモノの情報をバーコードから自動識別できます。
また事業所内で倉庫から製造現場や他拠点にモノを移動させたり、倉庫に戻したりする際の入出庫作業も実際のモノや数量を確認しながらのスキャニングが可能です。
特徴④ 複数カウントの方法は2通りある
同じモノが複数個ある場合、バーコードによるカウント方法は以下の2通りです。
- モノをひとつずつスキャン
- ひとつだけスキャンし、数量を入力
テンキーが無いバーコードリーダーを利用している場合は、スキャンを繰り返すしかありません。またアプリのテンキー画面を開くのが面倒な場合や、モノが軽量で個数が少ないケースは、ひとつずつスキャンするほうがよいでしょう。
一方で、モノが重く積載状態・バーコードが隠れている・数量が多いというケースでは、テンキーのあるハンディターミナルもしくはスマホアプリを利用しましょう。スキャンを繰り返すより数量入力するほうが、より正確かつ迅速な数量把握に繋がります。
特徴⑤ GS1に事業者登録すれば、バーコードは自作できる
自社アイテムにバーコードを自作・発行し、流通や在庫管理に使うことは可能です。但しまずは、各種流通コードを管理しているGS1*3に事業者コードの発行を依頼する必要があります。
さらに自社アイテムを整理・精査しつつ商品アイテムコードを策定し、前述の各数字からチェッククレジットを算出しなくてはなりません。それぞれの番号が決定してようやく、バーコード化つまりシンボル化できます。
*3:GS1とは商品やサービスの国際標準となる識別情報の規格を策定・管理・普及させている非営利団体のこと。バーコードだけでなくRFIDやEDIにも関わっている。
バーコードの作成は商品パッケージや印刷会社に外注するか、もしくはGS1 Japanのホームページやバーコード印刷ソフトで自作可能。またバーコードを無料でカンタンに自作できるブラウザやソフト、アプリもインターネット上で見つけられます。
さらにエクセルではExcel2013以降のバージョンで、開発リボン内に「Microsoft Barcode control」というツールがあります。このツールでもバーコードの自作が可能。ただしバーコードのプリントアウトには白地に黒インクが基本、かつシールタイプが理想。スキャナで正しく読み取る必要があるため、プリンター機能も十分に備わっていなければなりません。
さらにGS1事業者コードの発行や各種更新には手数料が必要です。バーコードを包装材に直接プリントする場合は外注コストがかかります。そのため無料ソフトをうまく利用するとしても、市場やtoB間で流通させる自社アイテム以外にバーコードを発行するのは割に合わないでしょう。
バーコード在庫管理で効率化できること
バーコードにより識別したデータは人の手を介することなく、上位システムに転送されるため精度の高い入出荷・入出庫管理が可能。台帳や伝票への手書き、それらの回収作業や、PCへの入力作業の工数が無くなり、人的ミスや作業工数を大幅に削減します。
また日次で目まぐるしく変化する入出庫の流れをバーコードで管理すれば、リアルタイムな在庫状況を追えます。出庫数を確認するために、敷地内各拠点を巡回する必要はもうありません。
またシステムの仕様によっては、より迅速な入出庫作業・整流化に寄与します。入出庫の際のスキャンと同時に、モノの行先・ロット・数量・作業者など、モノの流れの管理に必要な情報をその場で入力可能。在庫管理の効率化に貢献します。
バーコード在庫管理の課題点
バーコード在庫管理システムは管理したいモノ全てにバーコードが付いている、もしくは付けることが可能なのが導入の前提条件です。
販売業や小売業であれば、取り扱うモノの多くにバーコードが付いていますが、製造業や建設業、インフラ業はその限りではありません。そのような業界で扱う資材・副資材・仕掛品・完成品をバーコードで在庫管理するのは、ハードルが高いでしょう。
また自社でバーコードを取得するにしても、在庫管理のよりよい効率化のためにハンディターミナルを導入するにしても、GS1への登録料やハンディーターミナル(1台10万弱~20万円)の導入コストが掛かります。
またバーコードが隠れていたり、汚れていたり、破損していれば識別は不可能です。さらに重複スキャンやスキャン忘れといったヒューマンエラーのリスクが生じます。
また、バーコードは同じく自動識別ができるQRコードやRFIDと比べて、コードに含まれる情報量が少ないのが最たるネック。もちろんRFIDのように情報の書き換えもできません。
台帳・伝票の記入不要。スキャニングとPC入力も不要。「重さ」で在庫を管理する「スマートマットクラウド」
当社の「スマートマットクラウド」はモノの重さを捉えて在庫を管理するシステム。台帳・伝票への記入、PCへの数量入力は不要。さらにバーコード貼り付け作業やスキャニング工数も不要です。
重さを検知するIoT重量計(スマートマット)に管理したいモノを載せると、モノの重さから在庫数量を自動で算出します。数量把握のための目視カウントやスキャンを繰り返す必要はありません。
初期設定でスマートマットのシリアル番号とマットに載せるモノの情報を紐づけるだけでOK!最初からバーコードのないモノ、わざわざバーコードを発行すべきではない仕掛品もスマートマットクラウドで在庫管理ができます。
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バーコードの在庫管理とスマートマットクラウドは併用可能
スマートマットクラウドはCSV・API・Wehook搭載で既存システムとの連携・併用が可能です。例えば自社アイテムがJANコードやITFコードを取得している場合、売上処理含む出荷や納品管理はバーコードで処理し、それ以外の在庫管理はスマートマットクラウドでと、扱うモノの特質に合わせて使い分けられます。
スマホアプリ「SMC Handy App」で入出庫手続きやリアルタイム在庫情報を通知
スマートマットクラウドのスマホアプリ「SMC Handy App」は入手庫手続きやリアルタイム在庫量把握に役立つ機能を搭載。バーコードやQRコード・RFIDなどの識別コードがないモノもスマートマットのシリアル番号を読み込めばOK!アプリから数量・行先・作業者などを入力し入荷・出庫処理が行えます。
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リアルタイム実在庫データで的確な自動発注アクション
スマートマットは1日数回の計測タイミング、もしくは手動ボタンによる計測で重さの変化を捉えます。
予め決めた発注点や閾値を下回れば自動発注・もしくは発注アラートを送信。発注業務が軽減されることにより、在庫管理の超効率化に貢献します。
在庫状態がひと目でわかるグラフ表示
在庫の変動数値は自動で推移グラフとして表示されるため、消費・発注による在庫量推移をひと目で把握。月次や年次のデータ分析や在庫圧縮に貢献します。
さらにスマートマットクラウドの管理画面では、在庫指数を赤・黄色・青の3色分類で表示。倉庫だけではなく各拠点の在庫量が不足、最適、過剰か、誰でもひと目で判断でき、スピード感のあるアクションが可能となります。
AI学習機能により最適な発注点などをリコメンド
AI学習機能により2ヵ月分のデータが集積されれば、最適閾値や発注点、過剰消費や不動在庫をレコメンド。適正在庫の維持にも寄与します。
置く場所を選びません
スマートマットはg単位からマルチマット使用で1トンの重量物まで計測可能。さらにケーブルレスなため、保管庫内・収納棚や引き出しの中でも利用可能。耐冷仕様のため冷蔵庫・冷凍庫でも利用できます。
スマートマットクラウドで業務改善!バーコード在庫管理の課題やミスを解決した事例
弊社のスマートマットクラウドはさまざまな業界・企業様でご活用いただいています。なかでも、バーコード在庫管理の課題を解決された事例をご紹介します。