在庫管理術
工場DXの進め方【製造業DX化を進めるレトロフィットIoTとは】
今回は工場DX推進をする上で、既存設備にまつわる課題を解消する鍵となるレトロフィットIoTを紹介します。
レトロフィットIoTとは何か、レトロフィットIoTのメリット、レトロフィットIoTに採用されている重量IoTについてわかりやすく解説していきます。
工場DXの課題
製造業DXが進まない理由
工場のDXがなかなか進まない理由のひとつに、既存の旧式な設備や製造機械の仕様があります。ものづくりの観点からみると何の支障もなく工場で現役稼働中の設備を「DXを推進する」という目的のために破棄することは現実的ではありません。
この点が中小企業がスマート工場のような大掛かりな設備投資ができず、DX化に踏み切れない障害となっています。
DX推進に対する現場の抵抗
さらに現場サイドからの、「使い慣れた機械の方が良い」、「最新システムを導入することでかえって業務が増える」といった反発の声が上がるというのは決してまれなケースではありません。現場からの反発は製造業全般の工場DXが遅れている隠れた理由となっています。
こうした状況を変えるのに有効なのが、レトロフィットのシステムです。
工場DXの課題を解消するレトロフィットIoT
まず、レトロフィットとは何か
レトロフィットとは、既存の機械に新たな機能を追加して機械の性能を向上させることをいいます。
- 旧式の設備を活かして、生産の効率化ができる
- システム全面入替えと比較すると小規模な改造だけで大幅な変更がないため、費用を抑えられる
- 既存の設備をそのまま使うため、現場の抵抗が少ない
などの理由から、工場DXでレトロフィットを選択する工場が増えています。
レトロフィットIoTのメリット
工場DXでレトロフィットを選択する場合、センサーやカメラといったIoT機器を従来の機械に取り付け、その稼働状況をインターネット経由で監視する、制御するという手法があります。
IoT機器を使う方法には3つのメリットがあります。
- 旧式の設備を活かして、生産の効率化ができる
- 状況をリアルタイムで把握できる
- 現場に足を運ぶことなく遠隔監視ができる
重量IoTで工場DX推進
レトロフィットIoTに採用されている重量センサとは
IoTにはさまざまな種類がありますが、製造業で工程内のモノの動きを見える化するのに役立つ、重量IoTを紹介します。
重量センサを搭載したデバイスに原材料や部品、仕掛品を載せると、その重さから在庫数を計測し自動的にデータを記録できます。
重量センサーで工程の状況を把握
当社のスマートマットクラウドは重量センサを搭載したレトロフィットIoTです。
IoTデバイス「スマートマット」を使えば、単純な業務のデジタル化にとどまらず、工場内のモノの動きを見える化できます。
具体的には以下のようなメリットがあります。
- 在庫数の把握によって、在庫金額を抑えながら欠品を防ぐことができる
- 中間在庫を把握し、過剰在庫を最適な安全在庫まで削減できる
- トラブルで生産がストップしたことを検知し、迅速に対応、再発防止を講じることができる
工場DX化に対する抵抗を和らげるには
DX化に着手する際、レトロフィットIoTのような小さな変化であっても、やはり現場から反発を受けることが予想されます。
その場合に有効なのが、経営層が「DXを推進する」という意思表示をし、これまでアナログな方法で製造現場を支えてきた従業員に敬意を示しながら対話をつづけることです。
DX推進の壁とは、変革を拒む人が次々と現れること。そこをどう乗り越えるかというと、デジタルの真逆で、人間と人間との対話しかありません。
「工場が良くなるためにする」、「着地点を目指して進まなければならない」と言い続けていると、いつのまにかDX推進の意識が浸透し、気が付いたら逆に反対してた人が推進する側になっていることがよくあります。(当社ウェビナー「製造業DXの始め方のコツ」より抜粋)
既存工場をスマート工場に近づけるスマートマットクラウド
IoTで在庫管理を自動化、工程カイゼン・DXを進める
スマートマットクラウドはリアルタイム実在庫の見える化で在庫管理、工程カイゼン・DXを進めるIoT SaaSプロダクトです。IoTで現場のモノの動きを捉え在庫管理を自動化、その上で工程内のモノの流れを分析し問題を見える化します。さらにリアルタイム実在庫データを武器に工程を跨ぐ流れの澱みを特定しDX、現場力の向上に寄与します。
在庫置き場に出向くことなくリアルタイムで管理画面から部品と仕掛品の在庫数を確認できます。在庫確認や補充タイミング把握のため、倉庫や工場内を走り回る必要はもうありません。
スマートマットクラウドは生産工程の進捗状況も可視化。
後工程からひとつ前の工程に、必要な部品を、必要なタイミングで、いくつ必要かを自動で伝えることで、製造業の生産プロセスに潜むさまざまな課題を解消します。
◆特徴
- 遠隔で在庫を一元管理:倉庫や各拠点の在庫を管理画面で一元管理
- 需要に見合った供給を実現:ひとつ前の工程に伝え、過不足なく生産できる
- 生産効率を最大化:リアルタイムかつ自動で伝え、ムダがない