在庫管理術
在庫管理のタブレット導入、その一歩先へ。IoT重量計で目指す入力負荷の少ない運用とは
「また在庫数が合わない…」「月末の棚卸しが憂鬱だ」。そんな製造現場の悩みに対して、タブレット導入やバーコード運用は有効な改善策の一つです。
一方で、スキャンや入力といった作業そのものは残るため、運用次第では定着しにくいケースもあります。そこで近年、選択肢の一つとして注目されているのが、在庫の重さを自動計測してクラウドに記録する IoT重量計 です。
本記事では、タブレットを活用した在庫管理の次の一手として、IoT重量計を使った在庫管理DXの考え方を整理します。SmartMat Cloud では、重量をリアルタイムで検知してクラウドへ自動送信し、閾値に応じたアラートや自動発注、API・CSV連携にも対応しています。
この記事でわかること
- タブレット+バーコード運用のメリットと限界
- IoT重量計が向いている在庫と向いていない在庫
- 在庫管理DXの手法をどう選び分けるべきか
- SmartMat Cloud の活用イメージと導入効果の見方
なぜ、現場は在庫管理に疲弊し続けるのか?
👉 このパートを3行でまとめると!
- 紙やExcel中心の在庫管理では、転記ミスや更新遅れが起きやすい
- 差異の原因を人に求めても、運用構造が変わらなければ再発しやすい
- 重要なのは「入力を頑張ること」ではなく「差異が起きにくい仕組み」を作ること
御社の現場でも、月末になると在庫報告書の数字と実在庫の差異に頭を悩ませ、原因究明に追われることはないでしょうか。
こうした問題は、担当者の注意不足だけで起きているわけではありません。紙やExcelを中心とした在庫管理では、次のような問題が起きやすくなります。
1. 転記・入力ミスが起こりやすい
人が数えて、紙に書いて、あとでExcelに入力する。この流れのどこかで、数え間違い、記入漏れ、転記ミスが起きる可能性があります。
2. 現場の実態とデータにタイムラグが生まれる
「あとでまとめて入力する」という運用では、現場の在庫とシステム上の在庫にズレが出やすくなります。このズレが、欠品の見逃しや過剰発注につながることがあります。
3. 属人化しやすい
「どの棚に何があるか」「いつ発注すべきか」がベテラン担当者の頭の中にある状態では、異動や退職が起きたときに運用が崩れやすくなります。
在庫管理の効率化では、担当者の頑張りを前提にするよりも、手入力・目視確認・転記の回数そのものを減らすこと が重要です。SmartMat Cloud も、実在庫を自動取得してクラウド保存する仕組みとして案内されています。
タブレット+バーコード管理は有効。でも、それだけで十分とは限らない
👉 このパートを3行でまとめると!
- タブレット+バーコードは、紙や手書きより効率的
- ただし、スキャン作業は残るため、運用定着が課題になりやすい
- 残量管理や小物・液体管理では別方式のほうが向くこともある
アナログ管理からの改善策として、タブレットとバーコードリーダーを導入する企業は多くあります。これは非常に有効な一歩です。
バーコード管理には、次のようなメリットがあります。
- 入出庫記録をその場で入力しやすい
- 手書きより記録精度を高めやすい
- 個品管理やロット管理と相性がよい
一方で、次のような課題もあります。
スキャン作業そのものは残る
バーコード運用では、現場で「読む」という行為が必要です。この作業が定着しないと、後からまとめて入力したり、一部の在庫しか管理されなかったりして、運用が形骸化することがあります。
読み取り条件に左右される
バーコードは印字不良や汚れ、傷、周囲環境によって読み取りづらくなることがあります。
残量把握には向きにくい
液体、粉体、小ねじなども、容器や外箱、棚札にバーコードを付ければ管理自体は可能です。ただし、中身がどのくらい減ったかをリアルタイムに自動把握する という用途では工夫が必要です。
つまり、タブレット+バーコード管理は有効ですが、「人が記録する」前提が残る方式 でもあります。
そこをさらに一歩進めたい場合に、IoT重量計が候補になります。
入力負荷を大きく減らす選択肢、IoT重量計とは?
👉 このパートを3行でまとめると!
- IoT重量計は、重さを自動で取得して在庫量に変換する仕組み
- 副資材、小物部品、液体、粉体などで特に効果を出しやすい
- 入力の手間を減らし、発注点管理や補充判断の自動化につなげやすい
IoT重量計とは、在庫の重さを自動計測し、そのデータをクラウドに送ることで、在庫確認や補充判断の手間を減らす仕組みです。
SmartMat Cloud では、在庫をマットの上に置くことで重量をリアルタイムに検知し、クラウドへ自動送信できます。さらに、設定した閾値を下回った際のアラートや自動発注、API・CSV連携にも対応しています。
基本的な流れ
- 在庫をSmartMatの上に置く
- 重量データを自動取得する
- クラウド上で個数・残量・使用量として管理する
- 必要に応じてアラートや自動発注につなげる
重量管理が向いている在庫
重量管理は、特に次のような在庫と相性がよいです。
- ネジ、ボルト、ワッシャーなどの小物部品
- 切削油、薬液、塗料などの液体
- 粉体原料、粒体原料
- 段ボール、手袋、テープなどの副資材
- 一定量ずつ消費される仕掛品や補助資材
SmartMat Cloud の公式情報でも、ネジなどの部品、副資材、液体原材料、粉もの、仕掛品などが活用対象として紹介されています。
なぜ「重さ」での管理が有効なケースがあるのか?
👉 このパートを3行でまとめると!
- 重量は客観的な物理データなので、目視や勘に頼りにくい
- 残量管理や補充判断を自動化しやすい
- ただし、すべての在庫管理に万能ではない
重量管理の強みは、人の目や勘ではなく、物理量としての重さ を基準にできることです。
正確性を高めやすい
目視判断では「まだありそう」「そろそろ少ないかも」といった曖昧さが残ります。重量管理では、設定した単位重量や閾値に基づいて判断できるため、補充判断を標準化しやすくなります。
残量を連続的に把握しやすい
バーコードは“記録の瞬間”を残すのが得意ですが、重量管理は“減っていく過程”を追いやすい方法です。そのため、消耗品や副資材の補充タイミング管理と相性がよいです。
発注点管理に落とし込みやすい
在庫が一定水準を下回ったら通知する、あるいは発注処理につなぐ、といった運用を設計しやすいのも特徴です。
ただし、重量管理がすべての在庫管理に最適とは限りません。たとえば、個体識別、シリアル管理、移動履歴の追跡 が重要な場合は、バーコードやRFIDが向いているケースがあります。
RFID・バーコード・重量管理はどう選ぶべきか?
👉 このパートを3行でまとめると!
- どの方式にも得意・不得意がある
- RFIDは個体識別や一括読取に強い
- 重量管理は残量管理や自動補充に強い

在庫管理DXでは、「どれが最強か」ではなく、何を管理したいのか で選ぶことが重要です。
| 手法 | 主な強み | 主な注意点 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| Excel・目視 | すぐ始めやすい | 差異・更新遅れ・属人化が起きやすい | 品目数が少ない現場 |
| タブレット+バーコード | 記録精度を上げやすい | スキャン運用の定着が必要 | 入出庫記録、ロット管理、個品管理 |
| RFID | 一括読取、個体識別、搬送管理 | 金属・液体環境では設計が重要 | 移動追跡、個体管理 |
| IoT重量計 | 残量把握、自動発注との相性がよい | 重量換算設計が必要 | 副資材、液体、粉体、小物部品 |
RFIDについては、デンソーウェーブなどの技術解説でも、金属面や液体近傍で読み取り性能が低下しやすいことが説明されています。専用タグや設計で対策できる一方、環境との相性確認は重要です。
つまり、
- 個体を識別したい → バーコード・RFID
- 残量を自動把握したい → IoT重量計
- まず記録精度を上げたい → タブレット+バーコード
という考え方が現実的です。
成功事例から学ぶ、 導入効果はどう見るべきか?
👉 このパートを3行でまとめると!
- 導入効果は「棚卸時間」だけでなく「欠品防止」「発注精度」「間接工数」で見る
- 事例数値は業種や対象品目で大きく変わる
- 自社に近い現場条件で試算することが重要
IoT重量計の導入効果を見るときは、単純な棚卸工数だけでなく、次のような観点をあわせて見ることが大切です。
1. 棚卸・在庫確認にかかる時間
公式事例では、在庫確認時間を90%以上削減した例や、棚卸工数を約50%削減した例が紹介されています。
▼タブレット×スマートマットクラウドで棚卸工数を超削減(松阪興産株式会社様)
導入前は半期ごとの棚卸に丸2日を要していましたが、スマートマットとタブレット併用で作業を約1日短縮できました。月1回の原材料棚卸も効率化され、従来比で約30%の作業時間削減を実現。さらに、在庫ルールの見直しとスマートマットの配置工夫で倉庫環境が整理されました。
2. 欠品や発注漏れの削減
副資材や消耗品は、金額よりも「止まると困る」ことが問題になるケースがあります。
ライン停止や再手配の回避は、直接費だけでなく機会損失の抑制にもつながります。
3. 過剰在庫の見直し
SmartMat Cloud 公式事例には、過剰在庫を約20%削減した例もあります。
4. 現場の心理的負担
在庫差異の原因追及に時間を使う状態から、改善や生産性向上に時間を振り向けられるようになることも、見逃せない効果です。
導入効果は、対象品目、在庫回転、補充頻度、管理範囲によって大きく変わります。
そのため、「他社で90%削減できたから自社も同じ」と考えるのではなく、自社在庫で試算することが重要です。
よくあるご質問(FAQ)
Q1.スマートマットの電源は何ですか?
スマートマットはアルカリ電池または充電池(A3/A4/A5サイズ:単三電池・A6サイズ:単四電池)で、1日1回計測であれば理論上5年間稼働します。また、ACアダプターでの稼働も可能です。
Q2. 管理物品を選ぶポイントはありますか?
数えづらいモノほど効果を感じやすいです。例えば液体・粉体(原料や薬品等)、巻物(溶接ワイヤー等)、多量で数えるのがストレスなボルトナット、中身が見えづらい段ボールの中身、触ると危険な重量物などになります。また、クリーンルームの中や鍵付き倉庫の中といったアクセスしづらい場所に対してご活用頂くとより導入価値が高まります。
Q3. 今使っている基幹システムや販売管理システムと連携できますか?
CSVやAPIによる外部システムとの連携が可能です。
在庫管理の未来は「入力を減らす」方向にある
👉 このパートを3行でまとめると!
- タブレットやバーコードは、アナログ脱却の有効な第一歩
- その先では、在庫データ取得そのものの自動化が重要になる
- 重量管理は、副資材や液体、小物部品で特に有力な選択肢
タブレットやバーコードによる在庫管理は、アナログ運用から前進するための有効な手段です。
そのうえで、在庫確認や補充判断をさらに効率化したい場合は、重量データを自動で取得し、クラウドに蓄積できるIoT重量計も有力な選択肢になります。
SmartMat Cloud は、重量のリアルタイム検知、クラウド保存、自動発注、API・CSV連携といった機能を備えており、副資材や液体、小物部品などの管理効率化に向くケースがあります。
重要なのは、「どの技術が優れているか」を一律に決めることではありません。
自社の在庫特性に合わせて、バーコード、RFID、重量管理を適切に選び分けることです。
在庫管理に費やしていた時間を、品質改善や生産性向上といった、より付加価値の高い業務へ振り向けたい。
そのための一手として、IoT重量計を含めた在庫管理DXを検討してみてはいかがでしょうか。

在庫を遠隔から自動管理「スマートマットクラウド」

スマートマットクラウドは、重さで数を数えるIoTの新しい在庫管理システムです。マットの上に管理したいモノを載せるだけで設置が完了。日々の在庫確認や棚卸、発注まで自動化できます。
24時間遠隔でリアルタイム実在庫情報を把握
マットの上に在庫をのせるだけで24時間遠隔でリアルタイムですべての実在庫数を自動で把握。
毎月ごとや何度末ごとに複数がかりで何時間もかけて行っていた棚卸の労力を大幅に削減できます。
隠れた在庫も遠隔で可視化
スマートマットクラウドは、冷蔵・冷凍庫内、中身の見えない梱包された在庫など隠れた在庫数も遠隔から可視化できます。
冷蔵庫内や冷凍庫内にいちいち出入りしたり、梱包された中身を開ける手間暇も一切必要ありません。
タブレットでの使用も可能

スマートマットクラウドの管理画面は、パソコンだけでなくタブレットでも閲覧が可能。タブレットの画面で在庫を確認しながらその場で発注することもできます。
さまざまな自動発注に対応
スマートマットクラウドは自動計測した現在の在庫数を起点に閾値を下回ったら自動で定量発注、定期的に在庫が減った分だけを自動で定期発注など様々な条件で自動発注の設定が可能。












