在庫管理術
電線・ケーブルの在庫管理【数えにくい電設資材の管理課題を解消】
今回は、電線・ケーブルの材料面の特徴から、在庫管理のポイントを整理します。電線・ケーブルの在庫管理課題を明確にし、課題解消する方法を紹介します。
電線・ケーブルの在庫管理
電線とケーブルとは明確な区別はありませんが、一般的には次のように定義されています。
- 電線:電力や信号を伝える線材の総称
- ケーブル:電線の一種で、電線のまわりがシースと呼ばれる被膜で覆われている部材
電気設備資材の中ではB材に該当し、在庫管理が難しい品目です。必然的に配線に必要な大量のパーツ管理も発生するため、多くの企業で担当者が工数をかけ棚卸・発注業務を行っています。
電線・ケーブルの保管方法
線材の電線・ケーブルは、保管中に絡んだり品質が劣化したりしないように、また倉庫のスペースを有効利用できるように包装やケースで工夫をしています。
包装
銅やアルミは空気に触れると変質しやすいため、防錆紙やテープで包んで保管する方法があります。この場合、当然目視で在庫の残量を確認しにくくなります。
ケース・容器
コンパクト収納や、絡まり防止の目的で、専用のケースや容器にいれて保管する方法があります。
- ケーブルドラム:大型の糸巻きにコイル巻きにして保管する。
- ケーブルリール:リールに巻き取って収納するもの。スタックが可能なものがある。
-
これ以外にも、切断済みの短いケーブルや端材はケースや筒に収納・保管する場合があります。
電線・ケーブル在庫管理の課題
重い・かさばる
鉄線やケーブルは銅や鉄等の金属が材料として多く使われます。長尺のため非常に重く、棚卸の際、在庫を動かして数えにくいのが特徴です。スペースの都合で積み重ねて保管されることが多いので従業員に身体的な負担が発生します。
品質が劣化しやすい
電線やケーブルは引っ張る力で断線のリスクがあります。また銅線やアルミニウム線は、空気に触れると酸化し変色するおそれがあります。管理作業の都度、品質に悪影響を及ばないよう注意を払うことが求められ、担当者に精神的な負担が発生します。
在庫数・消費量が見えにくい
電線・ケーブルはスペース確保のためボビン巻きで収納されることが多く、消費量や残量を把握しにくいという特徴があります。数値管理が困難で、目分量で管理している現場が多くあります。台帳やエクセルで管理を試みても、理論在庫と実数が乖離する在庫差異が起こりやすくなります。
管理が属人化しやすい
在庫管理の難しさから、経験豊富な人材の経験を頼りに発注判断がなされることがあります。一部の人に管理負担が集中する「管理の属人化」が発生しやすくなります。
端材の管理が難しい
金属価格が高騰しているため、電線の端材を無駄にせず管理したいという企業のニーズが高まりつつあります。通常の保管に加え、端材保管でロケーションが複数になり、管理工数がかかる、という悩みを抱える企業は少なくありません。
電線・ケーブル在庫管理のニーズ
委託先・顧客先在庫を把握できない
製造業のサプライヤー、インフラ業の工事請負会社等、自社以外の場所に保管されている支給品等の在庫を管理したいというニーズが非常に多くあります。相手企業とのコミュニケーションコストをかけずにリアルタイムで在庫を把握したい企業が増加しています。
滞留在庫を解消したい
電線は購入する時に最低発注量が決められており滞留在庫が発生しやすくなります。 倉庫で長期間保存している間に劣化し、購入した在庫が無駄になるケースも発生しています。
盗難防止を図りたい
2022年以降、コロナウィルス流行による需要の変化、ウクライナ紛争をはじめとする海外情勢、円安等の原因で、金属の価格が高騰しています。銅線・アルミ線は金属盗の標的となりやすく、企業はその対策に頭を悩ませています。
電線・ケーブルの管理課題を解消するには
電線・ケーブル特有の課題を解消するひとつの方法が「重さ」による管理です。在庫の重さを計ることで、数値による管理が可能になり、数式にあてはめて長さに変換することができます。
当社の在庫管理システムスマートマットクラウドは重さを検知する「スマートマット」でリアルタイム実在庫を管理します。
電線・ケーブル在庫管理を超効率化「スマートマットクラウド」
在庫管理システム「スマートマットクラウド」はスマートマットの上に管理したいモノを載せるだけで設置が完了。あとはマットが自動でモノの在庫を検知、クラウド上でデータを管理し、適切なタイミングで自動発注します。
目視では数えにくい、電線やケーブルの巻物管理を超効率化。小型で点数の多い配線パーツ管理にも役立ちます。
棚卸自動化
実地棚卸自動化で管理精度向上と工数削減を実現します。管理作業中の電線の品質劣化リスクを抑え、従業員体験向上にも貢献します。
在庫・消費データ取得
計測した在庫データは管理画面から確認できます。3色に塗り分けられた在庫水準判定グラフはしきい値をいくつにするかパッと判定しやすくします。
残量の表示単位は「個」だけでなく「%」表示にでき、巻物や液体を直感的に管理できます。
遠隔管理
顧客先・取引先の在庫を管理画面から遠隔で確認ができます。
滞留在庫解消
在庫推移を把握できるグラフで適切な在庫量を判断し、在庫圧縮を促進します。膨大なSKUの中から不動在庫を特定、不動在庫解消につながるアクションへ確実に繋げます。
管理属人化を解消
経験者の勘ではなくデータに基づいた発注を可能にします。管理の属人化も併せて解消します。
異常検知
在庫が急激に減った時にアラートメールを受け取れるように設定できます。デバイスによる24時間在庫の重量を監視すること自体が、社内不正の抑止につながります。