在庫管理術
テレワーク【実施率や求人率の現状、メリットとデメリット、成功事例】
テレワークとは【定義や語源】
働き方改革や新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、注目を集め、推進されているのがテレワークという新しい勤務スタイルです。
国をあげてテレワークの有効活用を広く推し進めており、厚生労働省では「テレワーク総合ポータルサイト*」を開設。
そこに掲げているテレワークの定義によるとテレワークとは…、
-
- 「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」のこと。
Tele(離れて)とWork(仕事)を組み合わせた造語で、「tele」という「遠方の」という古代ギリシャ語が語源と言われています。
簡単にまとめると、テレワークとは、本拠地のオフィスから離れた場所で、ICTを使って仕事をすることです。
テレワークを導入することで、時間や場所を有効に活用し、これまでにない柔軟な働き方が可能になります。
この記事では、テレワークの実施率、求人率などの現状や区分、メリットとデメリット、成功事例などをわかりやすく解説。
また、スムーズなテレワークを実現するIoTを使った遠隔監視(管理)についてもご紹介します。
*参照:厚生労働省「テレワーク総合ポータルサイト」
テレワークとリモートワークの違い
どちらも、「オフィス以外の場所で働くこと」という点では共通しており、現状では、ほぼ同じ意味・概念として使用されています。
あえて、この2つの違いをあげるとすれば、
- テレワークは厚生労働省が定義を定めているがリモートワークは特に国で定義が定められていない
- テレワークの名称は政府系の機関や公的機関、大企業などで多く利用
- リモートワークの名称はIT関連企業で多く利用
ということになりますが、いずれにせよ、両者に違いはほとんどないと言えるでしょう。
テレワークの現状【実施率・求人】
新型コロナウィルス感染拡大の予防策として国をあげて導入を推進しているテレワーク。では、実際の実施率や求人の状況はどうなっているのか詳しく見ていきましょう。
実施率
内閣府による2023年(令和5年)4月19日「第6回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査*」のテレワーク実施率は…、
2019年12月 | 2022年7月 | 2023年3月 | |
全国 | 10.3% | 30.6% | 30.0% |
東京23区 | 17.8% | 50.6% | 51.6% |
地方 | 8.1% | 22.7% | 23.1% |
という結果が出ています。
調査を開始した2019年12月の実施率と比べると確実に普及が進んでいることがわかります。
ただし、全国で見るとテレワーク実施率はまだ30.0%にとどまっており、東京23区では51.6%と半数を超えているのに対し、地方では23.1%とまだまだテレワークに二の足を踏んでいる企業が多いことがわかります。
また、同調査による業種別のテレワーク実施率(就業者)を見ると、実施率トップの情報通信系75.9%を除き、電気・ガス・水道業46.4%、製造業40.7%とほとんどの業種が普及率50%以下にとどまっています。
推進を薦めている公務員ですら26.1%、小売業16.2%、医療・福祉12.4%、保育関係9.5%というように対人関連の業種ではテレワークが実施されていないのが実情です。
*参照:内閣府2023年(令和5年)4月19日「第6回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」
求人率
転職サイト「ビズリーチ」は同サイト上における2022年1月~3月の「勤務地を問わない新規求人数*」は、コロナ禍が起きる前の2019年10月~12月に比べ11.3倍に急増したと発表しました。
コロナ禍を経て「リモートワーク可」が新たな求人の特徴として定着しつつあるとしています。
求人傾向としては、IT企業のエンジニア職種が多くなっており、人手不足が深刻といわれるIT人材の採用において、企業がリモートワークの導入により、優秀な即戦力人材を採用しようとする動きが広がっているとも分析しています。
また、ビズリーチ会員を対象に、転職に関するアンケートを実施したところ、現在週1回以上のリモートワークを行っているビジネスパーソンのうち、9割以上が「リモートワークを継続したい」と回答。
さらに、「完全リモートワークであれば会社の所在地にかかわらず、転職を希望する」という回答が84.7%にものぼっていることも発表されています。
このように求人を行う企業側、就職(転職)したい応募側双方で、リモートワーク求人の需要は高まっていることがわかります。
*参照:転職サイト「ビズリーチ」
テレワークの区分
厚生労働省「テレワーク総合ポータルサイト*」ではテレwサークを次のように区分しています。
在宅勤務
在宅勤務は、所属する勤務先から離れて、自宅を就業場所とする働き方。
就業形態によって、雇用型テレワークと自営型テレワークがあります。
会社や同僚とのやりとりはパソコンや電話、FAXなどで主に行い、必要に応じて、チャットツール(Slackなど)やWeb会議システム(Zoomなど)、テレワーク管理システムなども利用されます。
テレワークの頻度は、すべての就業日をテレワークとする場合や週に数日の頻度で実施する場合など、企業や業務内容などの状況に応じたルールが定められています。
また一日の一部を在宅勤務で行う、「部分在宅勤務(部分利用)」を導入している企業もあり、多様な働き方が広がっています。
サテライトオフィス
サテライトオフィス勤務は、本拠地のオフィスから離れたところに設置したワークスペースで就業する施設利用型の働き方です。
サテライトオフィスには専用型と共用型があります。
●専⽤型
自社や自社グループ専用で利用するサテライトオフィス。
営業活動中や出張の際に立ち寄って利用する、在宅勤務の代わりに自宅近くのサテライトオフィスで勤務する、などの働き方があります。
自社の事業所の中に社内サテライトオフィスを設置するタイプ、既存の事業所とは別に設置するタイプがあります。
●共有型
自社や自社グループ専用ではなく、複数の企業や個人事業主が共用するオフィス。
シェアオフィスまたはコワーキングスペースと呼ばれることも。
モバイル勤務
移動中の交通機関や顧客先、カフェ、ホテル、空港のラウンジなどでパソコン、スマートフォン、タブレットなどを利用して働くことです。
隙間時間や待機時間に効率的に業務を行うことができます。
全国展開しているアパホテルなどではテレワーク応援プランなどを提供しているほか、コロナ渦で稼働率の下がった地方の旅館やホテルなどでも日帰りプランなどさまざまなモバイル勤務に対応したプランを用意しています。
*参照:厚生労働省「テレワーク総合ポータルサイト」
では、テレワークを導入することで具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
企業、従業員のメリットをそれぞれご紹介します。
企業のメリット
- 通勤や移動の交通費、出張費用やオフィス賃料、設備費などの固定費などコスト削減ができる
- 生産性や効率性がアップする
- 働き改革につながり、企業イメージアップ、優秀な人材の獲得が可能になる
- デジタル化・DX化が促進される
従業員のメリット
- 通勤時間が発生しないため、移動時間やそれに伴うストレスがなくなる
- 子育てや介護などと仕事の両立の手段となるワーク・ライフ・バランスの実現が可能
- 基本的に一人作業に集中できるため、効率性が高まる
- テレワークを推進している自社への信頼が高まり、やりがいにつながる
- 会社の場所を気にする必要がないので、地方移住など多様なライフスタイルが可能になる
テレワークのデメリット【廃止する?】
メリットのたくさんあるテレワークですが、企業も従業員も以下のような点には注意が必要です。
企業のデメリット
- 仕事の進捗状況の確認や情報共有の仕方を改善する必要がある
- 新たな設備やシステムを導入しなければならない、そのためのコストがかかる
- サテライトオフィスの賃料や利用料が発生する
- サテライトオフィス勤務やモバイル勤務の場合、画面の覗き見や端末やタブレットの紛失・置き忘れなどのセキュリティのリスクがある
- 直接接する機会が減るからこそ従業員のメンタルケアが重要になる
- 「在宅勤務で何してるのか?サボっているのでは?」という疑念が否めない
従業員のデメリット
- 家庭内雑務(家事や育児など)に気をとられ集中できない
- 気軽な相談や雑談などコミュニケーションが取りづらい
- 専用の部屋やデスクや椅子がない(用意する必要がある)
- 仕事と家庭の境界線が曖昧になり、サボりや逆に働きすぎにつながる危険性がある
- 同居する家族への配慮が必要になる
よく「テレワークはなぜ普及しない?」という声が聞かれますが、上記のような理由から、テレワークをしない会社や廃止する企業があるのも事実です。
テレワークを導入し、働き方改革や生産性向上を実現するためには、企業側ももちろんですが、従業員も一緒になって課題を解消する努力が必要かもしれません。
また、すでにお話したように、対面でないと業務が成り立たない業種もあります。
飲食サービス業・宿泊サービス業・製造業・介護現場では、全体のテレワークが不可能な業種であり、実際に実施率もかなり低いことがわかっています。
しかし新型コロナウイルス感染拡大予防、働き方改革が強く叫ばれている現在、可能な限り作業を自動化して省人化、遠隔化を進め、テレワークの機会を増やすことが求められています。
次の章では、効率的なテレワークを可能にするIoTについてご紹介します。
テレワークを推進するIoT
テレワークの実施を妨げる業務のひとつに在庫管理や発注、棚卸といった業務があります。発注に必要な在庫の確認のため、出勤を余儀なくされるケースがあります。
そこで注目され、近年続々と導入されているのが在庫管理・発注の自動化です。その最も有効な方法として以下の2つが大きなキーワードとされています。
企業の営みや産業全体をデジタルの力でよりよくしていく取り組み
● IoT(Internet of Things)
IIoT=「モノのインターネット化」
IIoTを使った家電や設備には、センサーやカメラなどが搭載されており、モノの状態や周辺環境といった情報を感知・収集し、インターネットを介して、それらのデータを人やモノに伝えます。
IoTを導入することで、在庫状況などを把握し、より効率的な在庫管理や棚卸・発注が可能になります。
次の章では置くだけで在庫の見える化・自動発注・遠隔監視(管理)が可能!今、話題のIoT機器「スマートマットクラウド」をご紹介します。
スマートマットクラウドでテレワークを推進
スマートマットクラウドは、現場のあらゆるモノをIoTで見える化し、在庫管理・発注を自動化するDXソリューションです。
スマートマットの上に管理したいモノを載せるだけで設置が完了。
あとはマットが自動でモノの在庫を検知、クラウド上でデータを管理し、適切なタイミングで自動発注してくれます。
タグやバーコードの貼り付け・読み取りなどの作業負担もなく、管理画面から実在庫の自動記録や、確認ができます。
さまざまな自動発注に対応
お客様の発注先に合わせた文面でメール・FAXの送信が可能です
在庫圧縮を促進
推移を把握できるグラフで適切な在庫量を判断し、在庫圧縮を促進します
置く場所を選びません
スマートマットはA3サイズ〜A6サイズまでの4サイズ展開。ケーブルレスで、冷蔵庫・冷凍庫利用も可能。
API・CSVでのシステム連携実績も多数
自社システムや他社システムと連携を行い、より在庫管理効率UPを実現します。
安心サポート
現場への導入に向けては、専門のカスタマー・サクセス担当が、お客様を厚くサポートします。
スマートマットクラウドでリモート管理を推進できた事例