在庫管理術
国民皆歯科健診|歯科経営への影響とは?新規患者に選ばれるためにやるべきこと
国民皆歯科健診とは?
いつから実施?
国民皆歯科健診(読み方:こくみんかいしかけんしん)とは、すべての世代の国民が生涯にわたり歯科検診を受けられる制度のこと。
2024年9月の現時点では、国民皆歯科健診制度の具体的な内容や費用負担の有無、いつから実施されるかは決まっていない状況です。
国の制度の在り方や検診の内容については、これから本格的に議論がなされる段階にあります。
多くの人が歯科健診というと、歯科医師が口の中を診る健診を想定することでしょう。
国民皆歯科健診では、健診にかかる費用を抑えるため、一般健診に唾液検査を含める形式で実施されるかもしれません。
歯周病唾液検査は、歯科医師不在で行うスクリーング検査ですが、歯周病の早期発見に有効な検査。歯周病などの可能性がある人を歯科の受診につなげることができます。
国民皆歯科健診のねらいと背景
日本人の歯の喪失原因のうち、約9割がう蝕(虫歯)と歯周病で占められています。
厚生労働省はこれまでも歯の喪失リスクを下げるため、定期的な歯科検診を受信し、う蝕や歯周病などの歯科疾患早期治療を呼びかけてきました。
定期検診受診は歯の健康の維持だけでなく、全身の病気を抑制することにもつながります。特に歯周病は、狭心症・心筋梗塞、糖尿病や認知症など全身の疾患に深い関係があることが研究で明らかになっています。
国民皆歯科健診の実施によって将来的に国民の健康寿命を延ばし、国民医療費の大幅な削減をしたいという考えが、国民皆歯科健診導入の背景にあります。
国民皆歯科健診の影響
歯科業界への影響
国民皆歯科健診が導入されると、歯科業界はどのような影響を受けるのでしょうか。
今後、
- 歯科医院・クリニックを新規で受診する患者が増加する
- 患者の来院目的が、「治療」から「予防」に変化していく
という変化があるとみて間違いないでしょう。
国民皆歯科健診の結果を受けて、自覚症状のほとんどなかった新規患者が通院を開始するようになります。
また検査を通じて、歯周病と健康への深い関係を知った人たちが、予防歯科の重要性を実感し、症状がなくても自発的に定期的に検診を受けるようになることも予想されます。口腔ケアを意識し、健康保険対象外の自費治療やケア用品に投資をする人も増えるでしょう。
個々の歯科医院・クリニックは、今から診察や検診の需要増加に応えられるように計画的に準備をすすめたいところ。
これまでかかりつけ医を持っていなかった新規患者から、選ばれる体制づくりをいち早くスタートしましょう。
取り組んでおきたい準備とは
国民皆歯科健診が本格的にはじまると、予防処置やクリーニングを担当する歯科衛生士の需要が今以上に高くなることが予想されます。しかし現段階で既に、歯科衛生士の人数が足りない、募集をかけても採用できない等、院内の人手不足に直面している歯科経営者は少なくありません。
人手不足のため新規の患者の受け入れが難しい、定期検診のリコールまで手が回らない、ということにならないように、手を打つ必要があります。
検診受診先として選ばれるには?
集患で差をつけられないポイントとは
さらに今後は患者側は、虫歯が進行し痛みに耐えかねて駆け込んだ歯医者にそのまま通い続けるというより、信頼できる歯医者を探し、長期に渡って足を運ぶという受診スタイルに変わっていくと予測できます。かかりつけ医への要求水準は、今より高くなることは避けられそうにありません。
国民皆歯科健診が施行された場合、新規顧客として来院する可能性が高いのは、現段階で定期検診が義務化や制度化されていない世代が対象となりそうです。現時点で実施されている歯科健診制度の対象は、以下の通り。
- 母子保健法による1歳6か月・3歳児健診
- 学校保健安全法による小中高生の学校歯科健康診断
- 健康増進法に基づく40歳、50歳、60歳、70歳の歯周疾患検診
- 75歳以上の後期高齢者医療の被保険者に係る歯科健診
つまりこれらの検診で手厚くカバーされていなかった社会人世代が新規顧客のボリュームゾーンになると想定できます。働き盛りで多忙なこの世代の人たちにとって、歯医者選びの基準となるのは、患者ファーストであるかどうか。
技術が確かであることに加えて、次のポイントが今まで以上に求められるようになることでしょう。
- 歯科医師や衛生士スタッフの案内や説明がわかりやすく、丁寧であること
- 受付スタッフの案内が対面や電話の応対が親切で、丁寧であること
- 自宅や勤務先からアクセス良好であること
- 仕事の合間に通える曜日や時間帯で、予約が取りやすいこと
- 診察前や会計で、必要以上に待たされないこと
選ばれるためのポイントにいち早く着目し、ホスピタリティ向上にむけて院内改革に着手するクリニックが急増しています。
国民皆歯科健診への備え
院内DXの推進
人手不足解消とホスピタリティ向上を両立させるために、すでに多くの歯科経営者が始めているのが、院内DXの推進。
限られた人数で、質の高い医療を提供するために、たとえ現状で強い課題がなくても、できる限り業務効率化を進めておくのが得策です。DXによる院内業務の効率化が、患者の待ち時間の短縮や、接遇の向上へとつながります。
DXツールは、まず在庫管理や予約管理などの日常業務を自動化できるものから導入するのが定石。
スタッフを診療と並行して行っていた定例業務から解放することで、業務負担もストレスも軽減し、離職を予防する効果が期待できます。
さらに、本業である技術向上や接遇のスキルアップが可能になります。
栄駅前矯正歯科クリニック 理事長芝崎龍典先生導入インタビューより
在庫管理は歯科衛生士にとって、最もストレスが大きく、時間も使う仕事。採用が難しく人手不足になりがちな衛生士が抱えている地味な仕事をどうにかしてコンパクトにしてあげたい、という願いを叶えることができました。
在庫に費やしていた時間は、私がスタッフの技術を見て直接指導する時間にあてていきたいのです。
人手不足を在庫管理ツール「スマートマットクラウド」で解消
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次の章では、実際にスマートマットクラウドを導入した歯科医院の導入事例をいくつかご紹介します。
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