在庫管理術
廃棄物管理【廃棄物の分類、事業系ごみの処理の仕方や注意点、効率の良い管理システム】
廃棄物管理とは
廃棄物とは、「占有者が自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができないために不要となった物」のことです。
そして、環境省では、以下のように定義しています。
「廃棄物とは、ごみ、粗大ごみ、汚でい、廃油、ふん尿その他の汚物又はその排出実態等からみて客観的に不要物として把握することができるものであって、気体状のもの及び放射性廃棄物を除く。固形状から液状に至るすべてのものをいうものであること」。
そして、廃棄物管理とは、自社の事業所や工場から排出される廃棄物の区分や種類を把握し、法律に沿ってしっかりと処理を終えるまでの業務を管理することです。
この記事では、廃棄物の種類(分類)、事業所系廃棄物の処理の原則や処理方法、注意点、事業所内で廃棄物管理を効率化する在庫管理システムを解説します。
廃棄物の種類(分類)
廃棄物は、廃棄物は、一般家庭から出される家庭ごみ(家庭廃棄物)と、事業活動に伴って生じた事業系ごみ(産業廃棄物)とで区別されています。
そして、さらに詳しい分類を見ていくと、産業廃棄物と一般廃棄物の2つに大きく分類されています。
産業廃棄物
事業活動に伴って生じた廃棄物。廃棄物処理法で規定された以下の2種類に分類されます。
●「普通産業廃棄物」
廃棄物処理法で規定された以下の20種類の廃棄物。
区分 | 種類 |
あらゆる事業活動に伴うもの | (1)燃え殻 |
(2)汚泥 | |
(3)廃油 | |
(4)廃酸 | |
(5)廃アルカリ | |
(6)廃プラスチック類 | |
(7)ゴムくず | |
(8)金属くず | |
(9)ガラス・コンクリート・陶磁器くず | |
(10)鉱さい | |
(11)がれき類 | |
(12)ばいじん | |
排出する業種等が限定されるもの | (13)紙くず |
(14)木くず | |
(15)繊維くず | |
(16)動物系固形不要物 | |
(17)動植物性残さ | |
(18)動物のふん尿 | |
(19)動物の死体 |
(20)汚泥のコンクリート固形化物など、(1)~(19)の産業廃棄物を処分するために処理したもので、(1)~(19)に該当しないもの
●「特別管理産業廃棄物」
廃棄物処理法では、「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物」を特別管理産業廃棄物として規定し、必要な処理基準を設け、通常の廃棄物よりも厳しい規制を行っています。
一般廃棄物
事業活動に伴って生じた廃棄物で、さらに以下の3つに分類されます。
●「事業系一般廃棄物」
産業廃棄物以外のもの。
●「家庭廃棄物」
一般家庭の日常生活に伴って生じた廃棄物。
●「特別管理一般廃棄物」
廃棄物処理法では、「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物」を特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物=「特別管理廃棄物」と呼んで規定し、必要な処理基準を設け、通常の廃棄物よりも厳しい規制を行っています。
廃家電製品に含まれるPCB(ポリ塩化ビフェニル)使用部品、ごみ処理施設の集じん施設で集められたばいじん、感染性一般廃棄物などが該当します。
家庭ごみと事業系の廃棄物の処理責任の違い
家庭ごみと事業系の廃棄物の大きな違いは、処理責任にあります。事業系廃棄物は家庭ごみと一緒に、ごみステーションに廃棄物を出すことは認められていません。
- 家庭系廃棄物:処理責任は市区町村
- 事業系廃棄物:排出事業者自身
事業系廃棄物は事業所の責任で適切に処理することが廃棄物処理法という法律によって定められています。この法律は不法投棄や無許可業者に処理を委託することは禁じるものて、違反した場合は罰則を与えられることがあります
廃棄物処理の方針【3原則と3R】
廃棄物の処理には3原則があり、処理方法はこの3つのいずれかに当てはまるようになっています。
- 廃棄物の安全化
- 廃棄物の安定化
- 廃棄物の減量化
さらに近年は環境省が推進するキャーンペーン、3Rにも重きをおかれるようになりました。
- 発生抑制:廃棄物を出さない
- 再使用:再度利用できるものはそのまま使用する
- リサイクル:形を変えて使用する
この3つの新しい方針はReduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の頭文字をとって3R(スリーアール)とよばれています。
環境への配慮やSDGsに対する意識向上により、企業はこれまで以上に廃棄ロスを出さないこと、積極的なリサイクル活動や適切な産業廃棄物の処理といった取り組みが求められるようになりました。
事業系一般廃棄物の処理方法
事業系一般廃棄物の処理方法は2つです。
- 委託業者に処理を依頼する
- 自己搬入でクリーンセンターに持ち込みをする
一般的な業者に処理を委託する手順は次の通りです。
- 事業所から排出されるごみの種類と量を明確にする
- 処理業者を選定する
- 委託業者と処理方法や料金について協議する
- 処理業者と契約書を締結する
事業系産業廃棄物の処分
事業活動に伴って生じた廃棄物のうち上記の章の表でご紹介した20種類を産業廃棄物と言います。
法によって定められた燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類の6種類と、政令で定められた14種類の廃棄物が該当します。
事業系産業廃棄物の処分方法
- 事業所内に施設を作り事業所内で処理をする
- 回収業者に料金を支払い処理を依頼する
事業所内に設備を設けるには、費用がかかる上、用地の確保も必要であるため、業者に処理を委託する方法が一般的となっています。
事業系産業廃棄物の処理の流れ
事業系の産業廃棄物を処理するフローを確認しておきましょう。
- 事業所から排出される廃棄物の種類と量を分析し明確にする
- 処理業者を選定する
- 委託業者と処理方法や回収頻度、費用等について協議する
- 処理業者と契約書を締結する
- 事業者がマニフェストを交付する
事業系産業廃棄物の処理委託の注意点
処理を委託する場合は、例外品目を除いて都道府県知事が認可している産業廃棄物処理業者を選ぶ必要があり、処理を委託するときは、口頭だけでは認められず、事業所と処理業者の間で契約書をとりかわすことが義務付けられています。
さらにマニフェストという処理の流れを確認できる複写式の伝票を事業者が作成する必要があります。
マニフェストの交付は不法投棄を未然に防ぐための制度で、収集・運搬・処分それぞれの工程ごとに廃棄物が適正に処理できているか、事業者が確認できる仕組みになっています。
いずれにせよ、廃棄物の処理は管理会社に引き渡した後も排出する事業者に責任があり、最後まで適切に管理することが求められています。
廃棄物管理責任者とは【資格・罰金】
産業廃棄物は排出事業者自らが処理するのが原則で、適切に管理するために国家資格である「特別管理産業廃棄物管理責任者」や「廃棄物処理施設技術管理者」の設置が義務付けられています。
特別管理産業廃棄物が発生する事業者は「特別管理産業廃棄物管理責任者」を設置することが、廃棄物処理法で定められています (第12条の2第8項) 。 管理責任者を設置しなかった場合は30万円以下の罰金も定められているので注意が必要です。
自治体によっては、届出が義務付けられているケースもあり、講習会などが開催されています。
また、自ら処理できない、資格者がいない場合は許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託することもできます。
廃棄物管理の課題
ここまで廃棄物の処理について詳しく見てきましたが、事業所内でごみを管理し、保管、引き取りを待つ間にもいくつもの課題があります。
<廃棄物管理の課題>
- ごみ箱の定期的な巡回・回収業務に工数がかかっている
- 定期回収では廃棄物をあふれさせてしまうことがある
- 廃液など有害な物質を扱う場合は、スタッフの身体への影響が心配される
- 点検や回収によって本来の業務が中断されることがある
厳しい廃棄物の保管基準を守りつつ、このような問題を解決するのに、最適なIoTを活用したシステム「スマートマットクラウド」をご紹介します。
廃棄物管理に役立つIoTシステム
廃棄物管理は製品や資材と違って、新たにそこから利益を得ることはできません。
できるだけ廃棄物の管理効率を上げたい、できる限り管理を自動化したい、という事業者のニーズに答えて誕生したシステムを紹介します。
在庫管理システム「スマートマットクラウド」は重量型IoTを採用したスマートマットで廃棄物を計測。廃棄物管理に最適な回収アラート機能はあからじめ決めておいた量まで廃棄物が溜まったタイミングで管理者にメールを自動送信します。
管理画面で遠隔から廃棄物の量のチェックができ、回収のタイミングを逃さないように定期的に巡回する作業が不要に。
資材の在庫管理も廃棄物も同じシステムで一元管理ももちろん可能です。
廃棄物の蓄積状況をリアルタイムで管理することにより、収集頻度や人員配置、ごみ箱配置の最適化など、収集作業を効率化しコスト削減を実現します。
スマートマットクラウドの回収アラート機能は次のような用途に活用できます。
- 自治体・教育施設のリサイクルゴミの回収
- 事業所から排出される廃棄物量の分析
- 工場から出る廃液の管理
- ホテル・病院での使用済みリネン回収
- オフィスのシュレッダーごみを回収
廃棄物管理業務を効率化!スマートマットクラウド
現場のあらゆるモノをIoTで見える化し、発注を自動化するDXソリューション「スマートマットクラウド」を使えば、簡単に自動化が可能です。スマートマットの上に管理したいモノを載せるだけで設置が完了。
あとはマットが自動でモノの在庫を検知、クラウド上でデータを管理し、適切なタイミングで自動発注してくれます。
増加する在庫にも対応
あらかじめ設定した在庫量に達したことをメールで通知します
在庫圧縮を促進
推移を把握できるグラフで適切な在庫量を判断し、在庫圧縮を促進します
置く場所を選びません
スマートマットはサイズ展開が豊富。ケーブルレスで、冷蔵庫・冷凍庫利用も可能
API・CSVでのシステム連携実績も多数
自社システムや他社システムと連携を行い、より在庫管理効率UPを実現します。
スマートマット導入による効果
実際にスマートマットを導入した事業者さまの実際の声をもとに、業種ごとに導入効果をまとめました。