在庫管理術
三現主義とは【意味や使い方・トヨタやホンダの事例・コロナ渦における三現主義・五現主義との違い】
この記事では、三現主義の意味や使い方、トヨタやホンダの事例、五現主義についてイラストをまじえ、わかりやすく解説していきます。
三現主義とは
三現主義(英語:3 Reality Principle)とは、製造業などの品質管理の現場における〝ものづくり〟で重要視されている考え方の一つです。
わかりやすく簡単にまとめると、品質管理では、まず第一に現場に実際に足を運び、現物を直接目で確認して、現実をしっかり踏まえてから物事を考え、問題を解決することが大切だということ。
つまり、オフィスの中、デスクの上で考えた理屈の上では正しいと思ったことは、実際の現場で起きていることと乖離がある=かけ離れている、これでは問題の発見や解決をすることは難しいということです。
三現主義【行動の詳細・意味】
三現主義の3つの現について、それぞれ具体的に解説します。
- 現場=直ちに現場に足を運ぶこと
- 現物=直ちに現物を手に取ること
- 現実=直ちに現実を目で見ること
三現主義では上記の3つの行動を心がけ、実際に行動に移すことが大切です。〝直ちに〟行動することから「三直三現主義」と呼ばれることもあります。
三現主義の使い方・事例【トヨタ・ホンダ】
では、三現主義は実際にどのような使い方があるのでしょうか? 具体的な事例をもとに見ていきましょう。
三現主義を重要視し、徹底している企業の代表としてトヨタやホンダ自動車が有名です。もちろん、他にも花王やセブンイレブンなど優良大手企業が、三現主義を実践し、大きな経営成果をあげています。
世界的にも知られているトヨタ自動車が掲げている以下の考え方において、三現主義が使われ、実践されています。
自働化
「異常が発生したら機械がただちに停止して、不良品を造らない」という考え方。(トヨタではニンベンの付いた「自働化」という)
JIT(ジャスト・イン・タイム)
各工程が必要なものだけを、流れるように停滞なく生産する考え方。
上記2つの考え方を柱として確立されているのが、トヨタ生産方式です。三現主義と五現主義【イラストで解説】
三現主義だけでは、具体的な課題や解決策がわかりにくい、三現主義は古いのでは?といった声から生まれたのが、五現主義です。
五現主義とは、三現主義の「現場・現物・現実」の3つの行動に、「原理・原則」の2つの行動を加えた考え方で、いわば三現主義の進化系。
- 原理=物事を成り立たせる法則や、それを起こすメカニズムを理解すること
- 原則=物事の決まりや規則を知っておくこと
この2つを加えることで、より優れた問題の解決や改善策を見出し、生産性を高め、品質の向上がはかれます。
遠隔管理と三現主義
ここまでご紹介してきたように、製造業などにおける品質管理の現場では三現主義の原則に基づき、現場に足を運ぶことで、さまざまな課題を発見し、改善することで生産性や品質を高めてきました。
しかし、業務のリモートが進む中、実際に現場に行かなくてもリモートで、三現主義を実践できないか?という課題に直面しそこで生み出されたのが、デジタルによる三現主義です。
具体的には、AIやIoTなど最新のデジタルを導入することで、遠隔(リモート)で現場の状況を把握するというやり方。
遠隔で、三現主義に必要な情報を収集、共有化する仕組みを作り、実際に導入を始めている企業が増えています。
次の章からはデジタルによる三現主義の実現に欠かせないIoTについて、わかりやすく解説していきます。
製造業・品質管理の三現主義を見える化するIoT
新型コロナウイルス、人手不足などさまざまな問題に直面している状況下において、いかに効率化して正確に在庫管理・自動発注を行うことができるかが重要となります。
そこで注目され、近年続々と各企業で導入されているのが在庫管理・発注の自動化であり、その最も有効な方法として以下の2つが大きなキーワードとされています。
企業の営みや産業全体をデジタルの力でよりよくしていく取り組み
- DX(デジタルトランスフォーメーション) 企業の営みや産業全体をデジタルの力でよりよくしていく取り組み
- IoT(Internet of Things)IoT=「モノのインターネット化」
IoT機器を導入することにより、「自動化」や「見える化」が可能になり、棚卸、現場作業の改善、在庫管理、発注管理、品質管理なども効率的に行えるようになります。
このように稼働状況や生産状況、在庫などのデータを分析することで、人力では発見しにくい問題や傾向なども把握できるようになり、生産性の向上やロスタイムの削減につながります。
デジタルテクノロジーを駆使して、企業経営や業務プロセスそのものを根本的に改善していくDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するためにIoTは欠かせない要素となります。
デジタルによる三現主義をサポート!スマートマットクラウド
現場のあらゆるモノをIoTで見える化し、発注を自動化するDXソリューション「スマートマットクラウド」を使えば、簡単に自動化が可能です。スマートマットの上に管理したいモノを載せるだけで設置が完了。
あとはマットが自動でモノの在庫を検知、クラウド上でデータを管理し、適切なタイミングで自動発注してくれます
●さまざまな自動発注に対応
お客様の発注先に合わせた文面でメール・FAXの送信が可能です
●在庫圧縮を促進
推移を把握できるグラフで適切な在庫量を判断し、在庫圧縮を促進します
●置く場所を選びません
スマートマットはA3サイズ〜A6サイズまでの4サイズ展開。ケーブルレスで、冷蔵庫・冷凍庫利用も可能。
●API・CSVでのシステム連携実績も多数
自社システムや他社システムと連携を行い、より在庫管理効率UPを実現します。
リアルタイム実在庫のデータを収集、分析、遠隔管理が可能
スマートマットクラウドはリアルタイム実在庫のデータを収集、分析、遠隔で管理。工場内の自動化、スマートファクトリー化をサポートするIoTソリューションです。
IoTで現場のモノの動きを捉え在庫管理を自動化、その上で工程内のモノの流れを分析し問題を見える化します。さらにリアルタイム実在庫データを武器に工程を跨ぐ流れの澱みを特定しDX、現場力の向上に寄与します。
在庫置場に出向くことなくリアルタイムで管理画面から部品と仕掛品の在庫数を確認できます。在庫確認や補充タイミング把握のため、倉庫や工場内を走り回る必要はもうありません。
スマートマットクラウドは生産工程の進捗状況も可視化。
後工程からひとつ前の工程に、必要な部品を、必要なタイミングで、いくつ必要かを自動で伝えることで、製造業の生産プロセスに潜むさまざまな課題を解消します。
◆特徴