まずフードバンクを設立された経緯を教えていただけますでしょうか?
片岡様:
私は北海道の十勝出身で、幼い頃から畑と牛に囲まれ食物に親しんできました。
ところが社会に出ると、食品ロスがこんなにも多いんだと気付き、「野菜や食材を捨てられる前に助けたい」、 との思いから2018年にフードバンクを設立しました。
食品ロス削減やSDGsといったキーワードは定着しましたね
片岡様:
もともとアメリカで1960年代後半にスタートしたフードバンク活動は、日本でも2010年頃から始まりました。
私が法人を設立した翌年(2019年)に、日本でも食品ロス削減推進法が成立し、いよいよ行政とNPO法人が一体となった取組みを推進しようとした矢先にコロナウイルスが蔓延しました。
当初は「食品ロス削減」や「SDGs」の切り口で注目を浴びていたフードバンク活動は一転して「困窮者支援」の観点でクローズアップされるようになっています。
21年7月には個人世帯への小包及び食品パントリーを介して200世帯以上に食材をお届けしています。
フードバンクの仕組みについて教えてください
片岡様:
フードバンクには3つの流れがあります。
1つ目は規格外の野菜や贈答品、企業の備蓄切替品等を寄贈品としていただく業務。
2つ目は集められた食品を管理する業務。賞味期限切れや包装に破損がないかを確認の上、保管しています。
3つ目に子供食堂やシングルマザー世帯、社会福祉施設に対して食材を「お届け」する業務です。
フードバンク活動自体は利益を生み出さない仕組みではありますが、毎月1~4トンもの食材をいただき、管理を行い、お届けする過程では、保管スペースの維持、食品寄贈にかかる費用負担、食品配達やパッキングするマンパワーが必要です。
私たちの取組みも、実に多くのボランティア・スタッフの皆様に支えられています。
スマートマットクラウドを導入する前の課題についてお聞かせください
片岡様:
当NPO法人では札幌市東区の新倉庫に加えて、市内にフードドライブ拠点を3箇所を擁しています。
フードドライブ拠点は個人の支援者様の家庭からの食材を定期的に持ち寄っていただく場所になります。
最近では倉庫移転もあり4拠点で、合計月に3~4トンの食材を寄贈があります。(お米、お菓子、調味料、インスタント食品等)
フードドライブ拠点では、1日にどの程度の食材が寄贈されたかを把握することが難しく、行ってみたら2kgしか食材が集まっていなかったり、逆に初日から数十kgの食材が届いていたりすることがあります。
私どもの活動にご協力いただいているボランティア・スタッフ様に対しガソリン代等を事業費からお支払いしているため、遠隔(新倉庫)から「どの程度の食材が集まっているのか」をどうにか把握したいと考えていました。
遠隔から大まかでも食材の集積度合が確認できると、効率的にボランティア・スタッフ様による集荷計画を立てられます。
株式会社シージェイシステム様を通じてスマートマット・クラウドを導入いただきました
片岡様:
スマートマットクラウドの設定や運用のサポートは株式会社シージェイシステム様に対応いただいております。
加えて、支援者やボランティア・スタッフ様向けにLINEの基盤で、寄贈のお願いやピックアップの通知を行う機能も実装を進めていただいています。
スマートマットクラウドの管理画面
インタビューのご協力ありがとうございました。 遠隔地での食材量を効率的に確認できているとのお声を聞くことができ、うれしく思います。今後もフードバンクの取組みを微力ながら支援させていただければと思います。