紙の台帳管理から脱却し、在庫をリアルタイムで可視化。曖昧だった閾値が決まり、過剰在庫を防止
大研化学グループ
社名 | 大研化学グループ |
業種 | 化学 |
課題 | 紙の台帳による在庫のズレ |
効果 |
|
・紙の台帳管理による記入漏れから在庫のズレが発生していた
・発注点が決まっていなかったため、過剰在庫になることも
・欠品に伴う納入業者への負担や生産調整も
・重量管理出来ていなかった原料は、天秤で秤量する手間も
・紙の台帳から脱却し、在庫管理・発注の自動化を実現
・閾値が決まり、過剰在庫や発注忘れを防止
・在庫管理、発注にかけていた時間を有効活用
・原料の重量管理を実現し、秤量にかかる労力や負担を削減
電子部品用の電極材料を主とする電子材料総合メーカーの大研化学グループ。電子部品用の電極材料を開発製造し、素材を活かした製品を提供しています。
工場長、副工場長、大阪本社、製造課の皆様にお話を伺いました。
御社の事業内容について簡単に教えてください
弊社は電子部品用の電極材料を主とする電子材料総合メーカーです。電子部品用の電極材料を開発製造し、素材を活かした製品を提供しています。
スマートマットクラウドを知ったきっかけは何だったのでしょうか?
最初に大阪本社で在庫管理に困っていたところ、ホームページを拝見してスマートマットクラウドを導入しました。大阪本社で成果を得る事ができましたので、同様の課題があった福井工場での成果を期待して導入を決めました。
スマートマットクラウドを導入する前に抱えていた課題や問題は何ですか?
消耗品などの副資材の在庫管理は、在庫がなくなってから発注していたため納入まで時間がかかり、出荷への影響が少なからずありました。
また、同じ副資材を複数の部署で使用しており、在庫不足時の意思疎通ができていませんでした。現物に在庫量を記録するカードを置いて在庫管理していましたが、記入忘れが多く在庫量のズレが生じていました。
紙の台帳発行・記録・保管・確認に時間と労力がかかり、
更に記入漏れなどによる在庫量のズレまで発生
発注点が曖昧だったため過剰在庫になることも
原料薬品在庫は、現場の作業者が入出荷の度に紙の台帳に記録していましたが記入漏れや記入ミスが多く在庫量のズレが生じていました。
発注に関しても発注点が曖昧で、発注担当者の中には心配性な人もいて、欠品しないように多めに注文していたために、結果的に過剰在庫を抱えてしまうことも。
発注担当者の不在時は発注が遅れたり、また「誰かが発注するだろう」と人任せになり、在庫切れに繋がるリスクがありました。
在庫管理は作業担当者が行っており、在庫数は都度現物の目視で確認をしており、さらには現物を見ただけでは残量が分からない物もあり、都度天秤に載せて計測していました。
消耗品(例:手袋など)は各現場に点在していたので、工場全体で見れば過剰在庫に。
また、在庫状況がわからないから現場に足を運ぶ、在庫が少なくなっていると気付く、そこで「これって注文しているのか?」と疑問に思い発注担当者に確認する、といった具合に工数が積みあがっていくのが課題でした。
発注依頼が確実にできているのか、その後の発注処理が確実にできているのか、ということが把握しにくかったのですが、スマートマットクラウド導入でこういった課題も可視化できるようになりました。
スマートマットクラウド導入後は、工場内に点在していた副資材の管理も一元化し、在庫状況 を可視化させた
欠品による生産調整や納品業者への負担も懸念材料に
原材料が足らずに欠品してしまうということも半年に一度くらいありました。欠品すると製造が出来ないということになってしまうので、慌てて業者に「なんとか短期で納品してほしい……」というお願いをしてしまうことも。
もし間に合わないということになれば、急いで製造しなければなりませんし、その分生産調整の必要があり、在庫切れや欠品は大きな課題でした。
これって納入業者さんにかなり負担を強いていて「こちらは申し訳ないし、あちらにとっては迷惑だし」。このような関係性に関しても危惧していたので、そこも改善したかったですね。
また過剰在庫を抱えることで保管スペースの問題や使用期限のある原料の廃棄コストの課題もありました。
スマートマットクラウドの導入によりどのような成果を期待していましたか?
原料在庫数を遠隔で把握、発注タイミングの可視化に期待
大阪本社でも先に導入していたので、原料在庫を遠隔で把握できるということに期待していました。在庫量の動きがグラフで見えることで、在庫管理および発注のタイミングが可視化出来るという点にも期待していました。
現在、スマートマットクラウドでどのようなものを管理していますか?
軟膏容器類、手袋、マスク、ウエス、ダンボールなどを管理しています。
原料薬品やダンボール、ポリ容器、ポリ缶、クラフト袋などの副資材を管理しています。
原料薬品は持ち上げたりするのも大変な重量物が多いですね。スマートマット導入前は秤量する必要があったため、持ち上げる労力負担や落としてしまうリスクもありました。スマートマットクラウド導入後は秤量が必要なくなり、リスクも低減して大変助かっています。
目視では残量が分からないため天秤に載せ変えて重量確認していたが、スマートマットクラウド導入後は秤量が不要に
スマートマットクラウドの導入後の効果をお聞かせください
スマートマットを置くことで、在庫が可視化され、問題としていた部分が全て解決できました。閾値により、発注点が明確になり、過剰在庫にならずに、適正在庫として運用できています。また、整理整頓ができるようにもなりました。
紙の台帳管理から脱却し、労力と記載ミスから解放
閾値が決まり、過剰在庫も削減
これまでは紙での台帳管理を行っていましたが、スマートマットクラウドの導入により、紙の管理から脱却できました。毎日誰かが必ず記入する手間がなくなり、工数削減につながりました。
また、発注点(閾値)が決まり適切なタイミングでメールアラートが来るため、過剰在庫や発注忘れもなくなりました。
これまでは発注依頼者がいましたが、それも必要なくなり、ダイレクトに発注担当者に連絡が行くようになったので、その時間を製造作業やその他の業務に有効に利用できるようになりました。
在庫量もパソコンからリアルタイムで見えるようになったので、現場に行って在庫確認する手間も削減できています。
これまでは現場に見に行っていた担当者もスマートマットクラウド導入直後は不安でまだ様子を見に行っていたそうですが、自動で発注、補充されているのを見て、最近では一切見に行くこともありません。確認に行く手間や労力、在庫の心配をしなくて良い、このストレスから解放されたという喜びの声も聞いています。
現場を管理する立場からすると、現場の在庫量が確実に減ってきているというメリットは大きいです。例えば、以前30個発注していたものが半分以下の10個になっているということはスマートマットクラウド導入の大きなメリットかなと思います。
取り扱いに注意が必要な薬品もスマートマットに載せるだけで自動で在庫が見える化
〝ものづくり〟に欠かせない在庫確認を可視化
我々は〝ものづくり〟の会社です。「商品の注文が入った、そのためにはこれだけの材料が必要」という在庫管理は欠かせません。この一連の状況がスマートマットクラウドの導入でリアルタイムにパソコンで可視化できるということは大変意義のあることだと感じています。
また、これまで点在していた材料の置き場所もスマートマットクラウド導入により、マットの配置に合わせた置き方になったので、点在していた棚の整理整頓にも寄与してくれました。「あの原料どこだっけ?」と探していた手間の削減にもつながっています。
スマートマットクラウド導入前は口頭で発注依頼を受けてメモして発注という流れで行っており、聞き間違いやメモの記載ミスといったことがありましたが、導入後は閾値を下回った時点で自動発注できるようになりミスがなくなりました。
スマートマットクラウドの活用について、今後の展望や予定などを教えてください
本社でも、重量物があるのですが、スマートマットクラウドを利用し、狭い場所での管理や持ち運びなども含めてまだまだ課題があります。本社内の別品種への展開も検討中です。
取得したデータを活用し、発注量や発注タイミングをしっかり見極め、在庫調整
現在、発注量の調整をしている最中です。スマートマットクラウドで取得したグラフデータをさらに活用し、最適な閾値、発注タイミングをしっかり見極めていきたいと思っています。
データを活用することで、発注量や保管期限を見極め、荷動きが少ない原料薬品や副資材の保管量の調整や廃棄を検討していく予定です。
廃棄ロスの問題などを考慮した場合、原料は過剰に抱えることなく、なるべく少なくしたいという思いがあります。そのためには閾値をさらに見極めて、必要な量だけ確保できる状態にしていきたいと考えています。
インタビューのご協力ありがとうございました。目視では確認しにくく、持ち運びも大変な原料薬品在庫や各所に点在する消耗品管理の自動化を実現し、労力とコストの削減や欠品による生産調整などのリスク回避にお役立ちできたとのお声、大変うれしい限りです。管理品数が多い企業さま、在庫管理・発注に課題を抱えている多くの企業さま、現場スタッフの皆さまのお役立ちができますよう、今後も努力してまいります。
大研化学グループ|スマートマットクラウド導入の概要
- 導入目的
在庫をリアルタイムで可視化。過剰在庫を防止
- 設置場所
本社及び工場内
- 管理商材
大阪本社(軟膏容器類、手袋、マスク、ウエス、ダンボールなど)、工場(原料薬品やダンボール、ポリ容器、ポリ缶、クラフト袋などの副資材)
- スマートマット導入の決め手
- 原料在庫を遠隔で把握できること、在庫量の動きがグラフで見えること