化粧品容器や日用品容器のシールパッキンをメインに生産しています。
生産するものも化粧品(化粧品のピボット)、パッキン、Oリング、カバーゴム、トイレタリー、日用雑貨、弱電機器、その他一般工業用機器など多種多様です。
在庫は種類毎に定位置管理していますが、どのぐらいの在庫を現状持っているのかは材料の担当者だけが把握しているという状態だったため、何が起きているか、というのが把握しづらい状況だったんですね。
そのため、発注漏れや発注ミス、過剰在庫が発生していてもすぐにはわかりませんでした。年に2回の棚卸の段階で、個別在庫について経緯や説明が必要な場合も出てきます。
つまり、“管理の目の届かない"という状況でしたので、そこを改善したいと思っていました。
担当者が数年前に代わった際も、マニュアルには管理の仕方が記載されているのみですので、問題点を解決するにはシステムそのものを改善する以外ありません。
特定の担当者の経験やマニュアル頼みによる管理は、将来的にも望ましくないと思っていたので、その点でも改善の方法を探していました。
実在庫と理論値のズレは、現場からの緊急の材料オーダーや、お客様から特急の注文が入った場合など、本来とは違った流れの中でどうしても起きてきます。
材料さえあればすぐに製造に入れますが、欠品などで材料がない場合は発注が必要なため、リードタイムも1週間ぐらいかかってしまう…。材料の在庫が見える化されていないとリードタイムや生産計画のズレにもつながってしまいます。
スマートマットクラウドを導入した今は、本社から受注や生産指示があった時に、遠隔で在庫を確認して、発注を行なっています。遠隔で在庫を確認できるため、担当者も在庫が確認しやすくなって、在庫確認や発注の負担が軽減されています。
発注の判断においても、原料には最低ロットなどもありますので、今ある分量で足りるのであれば発注しないという判断もスマートマットクラウドで即座にできるようになっています。
担当者しか把握していない在庫管理による、発注ミスや発注漏れ、過剰在庫といった課題に関して支援担当していただいているNTT東日本さんにご相談したところ、スマートマットクラウドを紹介していただいたのがきっかけです。
弊社の棚が少し古かったので、マットがうまく乗るかどうか?ということも含めてスタートはちょっと不安でしたね。ただ、スタート時にちゃんと測れていない箇所をNTT東日本さんが直してくれたり、弊社も設置しやすい棚を新設したり、使い方にも慣れたため、不安もなく導入できました。
年内中には全ての棚を新しくすることも決定したので、よりマットの効率的な使い方をしていきたいと思っています。
RFIDに関してはゴムが電波を遮断するということを知っていたので、検討していませんでした。
エクセルで最初に数値を入れておいて、入出庫をマクロで処理するような方法は、考えたことはあります。ただすごく手間なんですよ。入力の手間がありますし、数字が理論値になってしまうから結局、現場に行く必要があります。ですので、そういった方法は見送っています。
とても簡単だったことですね。マット(重量計)が常時カウントしてくれてるので、それをクラウド上で管理、パソコンで見る、という発想は今までありませんでした。一旦マットを置いてしまえば、管理は本当に簡単だなと思います。
また、費用対効果も含めてメリットなどを導入前に検討しましたが、思った通りの結果が得られていると実感しています。
費用対効果でいいますと、在庫金額の推移が緩やかですが、確実に下がってきています。
スマートマットクラウドは、在庫の下にスマートマットを置くだけのお手軽導入
弊社は、ゴム会社ですので材料を金型に入れて焼きます。焼く前の材料の、前段階の材料を準備しますがそれらを管理しています。
いろいろな呼び方がありますが、材料バッチの管理ですね。薬品を混ぜる前の材料で、見た目はゴムとほとんど同じです。
効果としては効率よく在庫確認できているということ、在庫確認の手間が省けているということです。
動いていない材料(不動在庫)などの状況も見えるようになりました。例えば長期間、動いていない材料を見て、「動いてないけれど年内で絶対動く」というものや、お客様の納期がズレたために保管期間が長くなっているものなどの区分けがされます。不動在庫の深刻度がわかるので、とても便利だと思います。
在庫の見える化によって、在庫データが金額でも見え、どのくらい動いていないのかもわかるので、在庫金額の減少や不動在庫の整理もつけやすくなったというメリットですね。
また、ずっと動いていなかった材料が一気に動いたことがあったのですが、入出庫履歴からすぐに検知できたこともメリットだと感じました。在庫管理の観点から見ると、動いた原因がミスなのか、単に注文が増えたのか、原因を早めに知る好機にもなり、トラブル回避にもつながります。
スマートマットクラウド導入前は、その材料の担当者だけが在庫状況を把握しており、不動在庫の特定も困難だった
また、先ほどもお話しましたが、在庫金額の推移を見ると、確実に下がってきています。具体的にはスマートマットクラウド導入前と比べて約100万円の削減です。このような金額面はもちろんですが、しっかり管理ができているという判断につながるため、会社としても大きな効果を感じていると思います。
スマートマットクラウド導入前は、在庫の動きが見えなかったので、どうしても担当者が「あらかじめリスク回避のために多少なり多めに」発注するケースもあったのではないかと思います。
今は、在庫金額がカウントされているという意識が常にあるので、在庫数を調べて、注文量と照らし合わせて「じゃあ、これくらいにしよう」という判断をします。
このようにしっかりした計算のもとに行動することが過剰在庫の削減にもつながっているのだと感じています。
管理がしっかりできている=意識が高まっているということは、その他の面でも良い波及効果をもたらすのではないでしょうか。
課題だった担当者の引き継ぎ問題に関しても、担当者だけではなく、私や本社の人間も在庫状況を確認することができるようになったので、改善されています。
年内中に棚も新調しますので、材料バッチの管理の精度をもっと上げていきたいと考えています。正しい在庫数をもとに的確な判断を行い、より在庫の適正化を進めていければと思います。
スマートマットクラウドを使っていくうちに「こういう可能性もある」ということを常に探っていきたいです。
在庫管理の業務効率化はできるということは最初からわかっていましたので、そこに留まらず、新たな良い使い方を見つけていけたら良いですね。