大分末広町一丁目計画作業所では、大分駅前に位置する19階建て、全188戸の高層マンションを建設しています。
福岡冷蔵倉庫作業所で建設しているのは、地上2階建ての鮮魚市場で、魚を冷やす冷蔵庫のような建物です。
建築現場には多様な資材が存在し、それらを管理するのは担当社員の役割です。しかし、現場には自社の社員以外にも協力会社の方々など多数おり、作業員が資材を持ち出したまま戻さないケースも多く発生していました。
その結果、必要な資材が必要なときにないという欠品が頻繁に起きていましたね。資材が欠品すると、その作業は翌日に持ち越しとなり、他の作業を進めざるを得ず、計画していた作業手順に影響が出ることもありました。
在庫管理を担当する社員にとっても業務負担が大きな課題でした。欠品が頻繁に発生すると、職人さんたちは資材の使用判断がつかなくなったり、「あれはどこにあるのか」「これはどこにあるのか」と担当社員に質問することが増えます。
その結果、担当社員は本来の管理業務ができず、資材を探し回ったり注文をかけたりといった無駄な作業が多く発生している状況でした。
また、在庫を無駄に持ち過ぎて余らせてしまうと、別の現場で利用できれば良いのですが、そうでない場合は廃棄することになり、無駄なコストが発生してしまいます。
在庫情報や使用量を可視化することで、必要な量を正確に把握し、無駄を減らしたいと考えていました。
私は現在の立場では資材管理を直接行っていませんが、係員として現場で働いていた時は、資材を目視で確認していました。資材はここから勝手に持ち出さないように、必要な分は戻すように日々管理する、というぐらいしかできていなかったですね。
私も、和田見所長と同じく目視管理をメインに行っていました。自分が資材を置いてある場所を通る際に現状を確認。私が気づかない場合に「なくなりそうだから注文しておいたほうがいい」といったことを言ってくれるスタッフもいました。
在庫管理に人手をかけず、何がいくつあるのかが把握できるという点が、私たちが抱えていた課題と合致していたため、導入を決めました。
わざわざ見に行かなくても通知が届くので、資材が減っていることに気づき、「注文しなければならない」と判断できます。
資材置き場を通る際に目視を忘れることもよくありますので、そのような漏れがなくなるのは非常に便利だと感じました。
福岡冷蔵倉庫作業所では、熱中症対策用の経口補水液やジュースディスペンサーを管理しています。また、火災防止のためにポットもスマートマットで管理しています。
これらは過酷な環境で働く社員や協力会社のために必要となるものですが、目視で定期的に確認しようとするとかなり大変な労力でした。
さらに、リース品もスマートマットクラウドで管理しています。協力会社用のカゴを用意し、リース品の返却用として活用しています。
大分末広町一丁目計画作業所では、養生テープ、ガムテープ、土嚢袋など作業員が使用する道具を管理していました。また、型枠大工の方々向けに弊社が支給している資材も管理していました。
(大分末広町一丁目計画作業所)養生テープ、ガムテープ、土嚢袋などをスマートマットで管理している
スマートマットクラウドを導入した結果、資材の在庫不足が大幅に減少しました。
例えば、朝にガムテープがないという状況になった場合、次に取りに行けるのは昼休みの時間帯になることが多く、その結果、そのガムテープを使う作業が約4時間遅れることになります。
導入後は、こうした欠品がほぼなくなり、結果として、手待ち時間や作業手順の変更などが減りました。特に、弊社が支給している資材の欠品による型枠大工の手待ち時間はほぼゼロにすることができました。
また、土嚢袋は掃除後のゴミを捨てるためのものでもあり、現場をきれいにする上で必要な道具になります。この土嚢袋の欠品もなくなり、現場の状態が悪化していくのを防ぐことができたと思います。
熱中症対策用の経口補水液とジュースディスペンサーについては、在庫がなくなると通知が届き、すぐに補充できるようになりました。非常に助かっています。
ただし、資材用のマットについては、協力会社に通知が行くように設定しているものの、まだ連携がうまく取れていない状況です。
現場がどんどん次の工事フェーズに移行する中で、スマートマットの置き場所を見直す必要が出てきています。
たとえば、高価な資材を管理する際に、一つのスマートマットに特定の資材業者を紐付け、資材が減った際に自動的にその業者に通知が行くように設定できれば便利です。
これにより、業者が現場近くを訪れる際に、必要な資材を一緒に届けてもらうといった効率的な運用が実現できるようになると良いなと思っております。
屋外でゴミコンテナの下に敷いて使用できるようになればと考えています。そのためには、耐久性(防水・防塵性能)と耐荷重の向上が求められると思います。
また、管理画面で在庫の個数が協力会社にも見えるようになれば、さらに管理が楽になるのではないかと感じています。
スマートマットクラウドに限らず、福岡冷蔵倉庫作業所のように、資材をコンテナにまとめた資材管理システムをパッケージ化して展開していければと考えています。
現場が始まる際に必要な材料をワンパッケージとしてあらかじめ用意し、管理もそのコンテナで行えるようにすることで、効率的な運用を実現することを目指しています。
(福岡冷蔵倉庫作業所)現場が始まる際に必要な材料をパッケージ化した資材管理システムにスマートマットクラウドを導入