導入前は給食用の食材や消耗品に対して工場スタッフが週に2回棚卸を実施し、1回につき1時間程の時間をかけていました。棚卸にかける時間がもったいなく、棚卸をした者にしか結果が分からないことにも課題を感じていました。棚卸結果を見たいときに誰でも見れるようにできたらと。
発注は、受発注管理の事務をしている市川が担当しています。棚卸作業で上がってきた報告を見て注文を出すので、一連の現場の作業負担をなんとか軽減したいと思っていました。
手で書かれた棚卸表を見て、発注するしないを私の方で判断していきます。
棚卸が必要な在庫は常時100点以上と点数が多く、在庫表はA4の紙にすると6ページぐらいのボリュームがあります。
工場にある在庫はどれもよく似たダンボールに入っていて、中に入っているものは箱を開けるか箱の側面の印字を見ないと、判断がつきません。納品時や使用後に間違った場所に箱を置いてしまって、棚卸で意図したものと違うものを数え、棚卸誤差が出ることがありました。
「最近注文を出していないのにこんなに在庫があるのはおかしいな」と私が工場まで出向き、在庫を確認しに行くことが時々ありました。
同じような見た目の箱がずらりと並ぶ。目視でのチェックでは棚卸誤差が発生しやすかった。
棚卸から発注に到るまでの作業を省力化し、在庫を見える化できる在庫管理システムを探しました。
過去に、配合表を元に在庫管理ができるシステムを検討したことがあります。初期費用が当社の規模では現実的な金額ではなかったため、導入を見送りました。
欠品対策の一環として工場に貼られていた注意書き
分かりやすい・値段が安いの2点です。
スマートマットクラウドがIT導入補助金の対象で、初期費用が抑えられたことが決定打になりました。
給食用の食材や消耗品で特によく使うものを重点的に、スマートマットで管理しています。
目の届きにくい冷蔵庫や冷凍庫の中にもスマートマットを置いていますね。
ドアの奥は冷凍庫。低温のため中に入って在庫を数えることは現場の大きな負担となる。
棚卸の時間が短くなり、また在庫の見える化をしたいという目的を達成することができました。
私が階下の工場に移動して、在庫状況を確認することが少なくなりました
在庫の中には発注担当の私の方で使用量を把握しにくいものがいくつかあります。例えば食パンとコッペパンとでは使うフィルムの大きさが変わります。
惣菜パンの具になるフライやハンバーグなどの冷凍品も給食や施設のメニューによって消費量が違ってくるため、工場に発注が必要かどうか確認しにいっていました。今は管理画面で在庫状況がわかるようになっています。
食品を扱うため、工場に立ち入るときは帽子をかぶるなどの支度が必要です。その点でも遠隔から画面経由で在庫を確認できるのは大きなメリットだと思っています。
身支度を整えて工場へ実在庫の確認に行くことで本来の仕事が中断されることがあった。
説明を受ける前は在庫の登録が難しいかもと心配していましたが、今では簡単に作業できています。
スマートマットクラウドに期待することは賞味期限管理ですね。
スマートマットに載っている5つの在庫のうち、2つは賞味期限が来週まで、残りの3つは再来週までというところまで管理画面で見れるようになるといいですね。