導入事例|スマートマットクラウド|在庫管理システム

欠品防止で生産停止リスクを排除。検査工程に必須のX線フィルム在庫を大幅に圧縮し大幅なコストコントロールを自在にする発注マネジメント

作成者: Admin|Sep 11, 2024 5:10:25 AM

 

ご担当の業務内容について教えてください

河合様:

神戸製鋼所は「素材系事業」、「機械系事業」、「電力事業」の3つの事業で構成されており、多岐に渡る事業を展開しております。その中で大安製造所は「素材系事業」分野の事業所であり、アルミ鋳鍛工場とサスペンション工場で構成されています。私たちはアルミ鋳鍛工場の鋳造室に所属しています。鋳造室では、主に航空機向けの鋳造品を製造しています。

航空機向け鋳造品は非常に高い品質を要求されます。鋳造した製品に対して、内部欠陥を見つけるX線検査、表面に傷や欠陥がないか調べる蛍光浸透探傷検査、寸法検査といった、お客様の要求を満たしているかを検査する工程を経て製品が完成します。検査工程数は製品により様々ですが、複雑な製品になると50工程以上になることもあります。X線検査はその工程の一部という位置づけです。


鋳造品には内部に引け巣(空洞)やガス欠陥などが発生しますが、その状態を検査するために、X線検査を実施しています。今回、そのX線検査に使用するフィルムの在庫管理のため、スマートマットクラウドを導入しました。

フィルムの管理について、どのような課題があったのでしょうか

過剰在庫による保管場所の圧迫

加藤様:

鋳造室では用途によってX線検査用のフィルム(1箱100枚入り)を、10数種類使い分け、毎月1万枚以上を使用しています。

内田様:

検査量には変動があるためフィルムは約1.5ヶ月分程度の在庫を持っておくようにしています。
しかし、検査を止めてはいけない、余裕を持っておきたい、という心理からか、少しずつ多めに発注することが重なり、一番多い時には数ヶ月分もの在庫を持っていたことがありました。

加藤様:

数ヶ月分のフィルムとなると膨大な量で、保管場所に困りました。X線用フィルムには銀が含まれているため高価格資材で、それだけで高額になります。

スマートマットクラウドを使ったX線フィルムの管理の様子

過剰在庫に陥った背景を教えてください

調達リードタイムが長く、欠品の影響範囲が大きい検査用フィルム

河合様:

フィルムは海外製で、国内に在庫がない場合は納入に時間がかかる資材です。フィルムがなければ検査が停滞してしまうので、フィルムは生産へ与える影響が大きい資材です。

内田様:

コロナ渦で物流の遅延が発生し易かった時期に、フィルムが欠品し検査工程に影響を与えてしまったことがあります。

 

欠品リスクを考え適正在庫の倍量の在庫へ

加藤様:

X線フィルムは製品形状や要求仕様に合わせて使い分けています。使用量が多いものもあれば、そうでないものもあり、検査を止めないようにする思いから、欠品を出さないように多めに発注してしまうことになっていました。

河合様:

過剰在庫を抱えたり、意図せぬ欠品を経験したりしたこともあり、在庫管理について鋳造室として適切に取り組まねばならないと感じていました。

スマートマットクラウド導入の決め手について教えてください

内田様:

1つ目のポイントは、フィルムの在庫量が管理画面からひと目で確認することが出来る点です。人が行っていた在庫チェックの工数を大幅に削減できることや、在庫切れによる欠品の回避も出来ることから導入を決定しました。

河合様:

2つ目のポイントは、ランニングコストが安く、導入のハードルが低かったことです。

加藤様:

3つ目のポイントとして、インターフェースの使いやすさが導入を後押ししました。画面に製品画像が表示できるため、ITに苦手意識があっても直感的に使えそうだなという印象がありました。

実際導入してみて実感している効果についてお伺いします

在庫切れによる検査工程の停止リスクの排除と過剰在庫の削減を実現

内田様:

アラート機能の活用によって、検査工程の停止に直結する欠品が回避できています。グラフ機能の活用によってどの在庫が停滞しているかが分かるため、過剰在庫も解消できました。

在庫管理工数をゼロにし心理的な負担も解消

河合様:

スマートマットクラウドで在庫管理することで、期待通りに管理工数が低減出来ています。 これまで検査員が棚卸に使っていた時間を検査業務に使えるようになりました。

加藤様:

スマートマットクラウドによる在庫数は正確です。目視で確認していた時にはどうしても見間違いが生じてしまいます。在庫数の結果に違和感があると再び確認せざるを得ず、二度手間、三度手間になってしまいましたが、その必要がなくなりました。

X線フィルムは外観だけ見ると種類を間違えやすい。

 

消費データを発注の標準化や予算組みの精度向上に活用

加藤様:

現在はグラフから消費量が見えて履歴も残るので、それを発注の基準に使用しています。フィルムはひと月に少量しか使わないものもあれば数千枚使うものもあります。スマートマットクラウドを使うことで、経験のある無しに関わらず誰でも同じ基準で発注ができるため、メリットは大きいですね。

河合様:

X線フィルムは高価格資材なので、適正在庫を正確に把握して使用予定金額を事業計画に織り込む必要があります。

スマートマットクラウドのデータを使って、計画精度を上げる取り組みもしていきたいと考えています。

スマートマットクラウド導入後、社内の反応はいかがでしたか

河合様:

製造現場へのITツールの導入は、使い勝手が悪いとなかなか浸透しないことが多いのですが、スマートマットクラウドは「思った以上に簡単」、「在庫が正確に分かる」、「導入して良かった」というポジティブな反応が現場から多く寄せられ、導入を決断して良かったと感じています。

加藤様:

2022年2月にKOBELCOグループのQC大会でスマートマットクラウドを使った取り組みを発表し、すぐに数社から問合せを受けました。今後も改善事例として発表する予定があります。

最後にスマートマットクラウド導入を検討している企業にメッセージをお願いします

河合様:

導入コストがリーズナブルなので、迷っているならまず始めてみることをお勧めします。管理画面のインターフェースがよく出来ており、使いやすいです。

加藤様:

操作が分かりにくかったり、処理が遅かったりというところが全くない。電池残量や電波状況の確認まで管理画面で完結できるのもいいですね。重量計測なので、いろいろな資材の管理に向いていると思います。

河合様:

スマートマットクラウドの導入をきっかけにして、製造現場でのIT活用の土壌づくりが出来たように感じています。積極的に使ってみるといいと思います。

インタビューのご協力ありがとうございました。より確実に欠品を回避したいケースに有効な異常検知機能をリリースしましたのでぜひご活用ください。

※異常検知機能:普段より消費スピードが早いときに通知をする機能。発注点は切っていないが在庫が急激に減ってきている状況をお知らせする。