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といった、振動測定からアフターサービスまで、一貫したトータルソリューション技術を提供しています。
創業50年以上の歴史を持つ、振動制御専業のトップメーカーです。
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システムで管理している理論在庫数と実在庫数の合致率、在庫精度が低かったことです。
差異があるため、在庫が過剰になったり、欠品したり…。欠品により納期の遅れや生産調整が必要な事態に陥りそうになったこともありました。
また、重量物カウントが原因となる腰痛・落下による負傷などの労災のリスクという問題。さらに機械油の付着した部品があるので、作業手袋の汚損・交換、手の洗浄など非効率的な作業も課題となっていました。
特に重要な部品では、理論在庫に対して実在庫が少ないと、生産がストップしてしまう影響もあります。
例えば、理論上は10個あるものが、実在庫は8個しかない場合、本当にないのか現物を探します。平行して、出庫履歴から適切ではない処理はないか、予定外の出庫があったのか、という調査をします。
現物が見つからない場合は、修正処理や発注、生産調整などをしなければなりません。
また、棚卸の際に会社の資産として計上しますので、在庫数の差異により、金額でも数百〜数千万円という大きな差が出てしまうことも問題です。
棚卸は3ヶ月に一度実施していますが、差異の点数が増えるほど、それぞれ3ヶ月遡って調査しなければなりませんから、その時間と労力は相当のものです。
部品点数も相当数あるので、あまり動きのない部品は差異が起こることは少ないのですが、頻繁に出入りのある部品は差異が起こりやすいという傾向にありました。
日常的に正確に在庫数を把握していれば、棚卸の際に慌てることはありませんし、欠品が発生することもありません。
欠品により、生産調整が入ったら、その時点でロスです。生産管理の担当者もそうですし、現場で製造する作業員の方も工程が変更、組み替えが必要になります。上から下まで全てにおいてロスが出てしまいます。
このような経緯から、理論在庫と実在庫が常に一致していることが望ましいと感じていました。
手書きのアナログ管理をしていた
実在庫は入出庫表を使い、「*月*日に何個入りました」「この商品のために何個使いました」と紙と目視により管理、理論在庫はシステムで管理をしていました。
日常的には、実在庫の出入りを入出庫表へ記録、その後、システム上で理論在庫も更新し、棚卸の際に実在庫と理論在庫を照らし合わせるやり方です。
ボルトなど大量に消耗する部品は目視で数が減ってきたら発注。重要な部品は、理論在庫が一定の在庫数を切ったら発注といった、システムによる発注をしていました。
欠品が発覚した時は本当に大変です。まず調達部門に「できるだけ前倒しで発注をかけてください」とお願いします。それと平行して納期を調整する必要があれば直したり、なんとかやりくりできそうなら、生産調整をしています。
上司がインターネットで「このようなものがある、これは使えるのではないか」と見つけたのがきっかけです。
他の似たようなソリューションも検討しましたが、スマートマットクラウドはシステムが構築済みで、スマートマットクラウドとマットがオールインワンのパッケージであること、仕様・操作がシンプルで「マットを敷くだけ」という導入の手軽さが魅力的だったことです。
また、リースなのでフレキシブルな契約変更が可能だったこともメリットに感じました。
スマートマットで毎日の在庫数を自動カウント
他にもIoT重量計ソリューションを検討しましたが、検討の段階で「使えない」と判断したので、比較してテスト運用などもしていません。
スマートマットクラウドを導入することで、実在庫数の確認作業が廃止できる点です。
実在庫数の確認は棚卸の際にだけ行っていましたが、スマートマットクラウドで日々確認できるようになれば良いと思いました。
在庫精度の確認というのは、実在庫数と理論在庫がわからないとできません。これまでは実在庫数を把握する手段が人で数えるという一択しかなかったので、そこを解決してくれるという期待がありました。
人で数えるとなると、日々の業務もある中で時間の捻出が難しく、コスト面でも年間390万円かかります。スマートマットクラウドに在庫数のカウントを任せることで、コストを抑えつつ、省力化と精度向上、改善の加速化ができるため、その点でも期待していました。
実はスマートマットクラウドを導入してみて、思ったよりも日常的に差異が発生しているということがわかりました。
「毎日こんなに大なり小なりズレる理由があるんだ」ということが判明したので、毎日あるいは週に一度でも数える必要がある。ただし、扱う部品数が膨大なため、いちいち人が数えるのは厳しい…となった時に自動で検知してくれるスマートマットクラウドの役割は大きかったです。
スマートマットクラウドは決まった時間に在庫数をカウントしてくれるので、それと理論在庫を照らし合わせて、差がでたら「調べましょう、数えましょう」で済んでいます。
弊社で取り扱っている製品は多種多様ですが、センサー・ケーブル・金属加工品・基板などの製品構成部材を管理しています。
常に持っている在庫部品の中でも重要部品と言われているもの。それに加え、スマートマットクラウドで現実的に管理できる重量のもの、個体のバラツキがあまりなく、それなりの重量もあり、それなりに数も使用するものですね。
マットなし在庫はアプリで手動入力して管理
スマートマットクラウドのアプリも活用しています。一部の在庫は、マットによる自動計測とアプリを使ったマットなしの手動入力を合わせて実在庫数を出しています。
在庫がよく動く場所にはマットを置き、マットに置ききれない別置き在庫や、それ以外の場合は入荷・出荷があった時にアプリで実在庫数を記録します。その後、マットの情報とアプリの情報をエクセル上で統合させて、合計の実在庫数を算出しています。
現物をカウントしなくても、スマートマットクラウドから容易に実在庫数の確認が可能になったことです。それにより「理論在庫と実在庫数のズレの見える化」ができ、原因特定もしやすくなりました。
ズレの原因はシステム上の処理が滞っていた、処理の仕方が間違っていたシステム的なこと、倉庫の番号を打ち間違えるヒューマンエラーなど様々ありました。
商品から現物を棚から取り出した際にその処理をシステム上でもやらなければいけないのですが、そういったことも出来ていなかったことが明らかになってきました。
それらの原因に対処していくことで、理論在庫と実在庫数の差異を減らし、在庫精度向上を実現できました。
また、在庫精度向上により、カウントミスなどのヒューマンエラーによる在庫誤計上を抑制し、棚卸資産の仕損費拡大の防止、誤計上が起因となった過剰発注による廃棄ロスの防止にもなるため、キャッシュフローが良化しました。
機械的なリアルタイムの在庫監視により、部品欠品による生産ロス・緊急対応の品質低下リスクも低減でき、納期遵守や製品自体の品質維持・向上につながるため、顧客満足度向上にも寄与しています。
課題だった重量物カウントによる労災リスクや、機械油の付着した部品の接触機会低減にもつながっています。
DX化推進の大きな一歩に
今は、在庫差異の調査を1日ごとに実施しています。Excel上に、APIで実在庫数(スマートマットクラウド)と理論在庫(生産管理システム)を表示。データ更新と比較作業もRPAで実行し、差異発生時に自動で関係者へのメールを配信しています。
実在庫数を人がカウントしなくても、事務所のパソコンから確認が可能なため、差異の検知や対処を素早くできています。
自動化することで在庫管理精度向上の迅速化・円滑化が可能となるだけでなく、会社としてのさらなるIT化促進もおおいに期待しています。このようなIT化促進の期待も含め、スマートマットクラウドの導入の取り組みなどにより、社長賞(年間1名)やQCサークル(改善活動)の最優秀賞を受賞することもできました。
在庫精度向上の成功実績をもとに、新しく立ち上げた伊丹工場へスマートマットクラウドの水平展開を考えています。伊丹工場では取り扱う部品の種類や数量が多く、回転も早いため、さらなる改善を期待しています。
また、実数確認の迅速化により在庫管理精度が向上すると、システム上で理論在庫を用いたMRP発注機能のフル活用が可能となります。現状はMRP発注に対して経験者の精査が必要ですが、誰でも経験関係なくMRPによる発注が可能な状態を目指していくつもりです。