導入事例|スマートマットクラウド|在庫管理システム

棚卸にかかるコストを年間340万円削減!実現するための3つのポイント

作成者: Admin|Sep 11, 2024 5:05:57 AM

 

日酸TANAKA株式会社は、1917年に国産初となる溶断器を製作して以来、1939年には世界初の「発信機搭載型レーザー加工機」を開発するなど、各種溶断機器、ガス制御機器のリーディングカンパニーとしてひた走られており、長野工場では金属のガス溶断・溶接、
研究・開発、一般工業・特殊ガス用供給機器関連製品の製造を行っていますが、
スマートマットクラウド導入を前はどのような課題を抱えていましたか。

 
波田野さま:

製造については最新技術を常に取り入れ、省人化を進めてきました。しかし長年、大きな悩みとして抱えていたのが棚卸です。棚卸は年2回あり、年間合計で4日間生産停止しています。

西澤さま:

近年は人員不足となり、在庫棚卸への人員割り当てに苦労しています。また最近では、管理職も棚卸をやらないと間に合わなくなっていました。

宮坂さま:

棚卸中に生産停止する2日間で500万円の生産ロスが発生しています。円安や原材料高により原価低減活動に取り組むなかで、生産ロスは大きな痛手となります。長野工場では汎用品に加え少量多品種な部品もあり、約8,000点の在庫があります。管理点数が多い中、いかに棚卸を効率化するかが課題でした。

スマートマットクラウドで管理している様子。

棚卸の効率化を検討するなかでスマートマットクラウドを選んだのですね。ちなみにスマートマットクラウドを知ったきっかけを教えて下さい。

波田野さま:

SNSで見かけ、棚卸を効率化できるのではないかと興味をもったことが、きっかけでした。以前、ICタグでの管理を検討したこともありましたが、何万個もある部品にタグを取り付けることは現実的ではないので、新たなやり方を模索していました。その中で、マットを置くだけで管理できるのは魅力的でしたね。

宮坂さま:

まず対象にしたのが半導体部門でした。在庫点数は1,700点ほどあり、在庫単価が高額かつ、総在庫数も多く、棚卸の負荷が大きかったためです。このうち800点を対象にし、効果が見えやすい領域から始めることにしました。

スマートマットクラウドで管理している部品。
これら1個1個にタグを取り付けることは現実的でなく、ICタグでの在庫管理は断念。

スマートマットクラウドを導入して、どのような効果が得られましたか?

波田野さま:

大きな効果を得られましたね。具体的には9人で取り組んでいた棚卸が、6人で実施できるようになりました。棚卸の工数削減や、棚卸による生産ロス削減で効果が出ました。

金額換算すると、170万円のコスト削減効果にもなります。年間2回の棚卸を実施していたので合計340万円の削減になりましたね。

西澤さま:

スマートマットクラウドによって6割の品目で棚卸を自動化できました。システムの理論在庫と突合し、詳しく見たほうが良いところ(残りの4割)だけをダブルチェックで目視確認するようにしたことで、棚卸にかかる負荷が大きく減りました。

――今回、スマートマットクラウドの効果を最大限に引き出すために取り組んだポイントを教えて下さい。

宮坂さま:

大きく3つあります。1つ目が「改善活動にも生かす」ことです。5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)に取り組むうえでも良い効果が出ています。スマートマットクラウドの活用時に、定位置管理や管理ルールの整備を進める中で全体的に5Sの意識が向上していきましたね。

例えば、導入前は分散在庫になりがちで、在庫の所在が分かりにくいこともしばしばありました。しかし定位置管理を徹底したことで、担当者の探す手間が省けました。また、管理ルール整備の中で、納品時の無駄も見えてきたため、改善も進みました。

整理整頓されることで、何がどこにあるのかすぐに分かり、担当者の探す手間が省けた。

波田野さま:

2つ目は「成果を数値化」したことです。弊社では改善活動の時間単価を設定しています。人件費(保険込)や設備費、経費など、生産にかかるコスト全てを加味したもので、毎年改定が行われます。スマートマットクラウドの成果は実勢にあわせて算出しています。

成果を見える化したことで、評価や報告がしやすくなります。また、導入時の社内稟議では、試算効果とあわせて、会社の「新しい発想で工場を変えていこう」という意向もあり、社内の方向性と合致していたこともポイントでしたね。

役員から「100台といった部分的な規模ではなく、マットを1,000台にして一気にやってみよう」と、社内稟議も通りました。これからは成功事例を基に、横展開も進めていきたいですね。

宮坂さま:

3つ目は、「誤差の許容基準を決める」ことです。スマートマットクラウドは置くだけで在庫管理ができますが、在庫の個体差などで誤差が生じることもあります。

そのため、棚卸でスマートマットクラウドの実在庫数と理論在庫が違っていた場合の許容基準を、在庫単価毎に決めました。具体的には、「在庫単価1,000円以下の在庫は、スマートマットクラウドの数と理論在庫が異なる場合、前者を正として棚卸を進めるルール」を決めました。

監査法人にも相談しましたが、「社内ルールで決められていれば問題ない」として対策を立てたことでうまくいきましたね。

――棚卸作業で大きな成果が出ていますが、次なる展開をお聞かせください。

波田野さま:

ほかの部品や消耗品にも広げられればと考えています。棚卸によってコスト削減を実現できましたし、消耗品を対象にすれば、自動発注で発注管理の効率化もできると考えています。今後、工程の進捗管理にも活かせたら良いですね。

お話を伺った産業機器事業部業務部の波田野部長、管理部の西澤部長、宮坂部長