導入事例|スマートマットクラウド|在庫管理システム

産業廃棄物の重量測定によりCO2排出量の見える化が可能に。業務の効率化に加え、CSR・SDGs活動にも寄与

作成者: Admin|Apr 7, 2025 7:30:56 AM

御社の事業内容について簡単に教えてください

晝間さま:

空調設備工事の設計・施工を中心に、建物ライフサイクル全般にわたってのトータルなサービスを展開しております。

足許では、都心の再開発のほか、製造業で使われるクリーンルーム等の産業向けの空調設備工事の需要が非常に高まっています。

グループパーパス「環境革新で、地球の未来をきりひらく。」のもと、「環境クリエイター®」として環境創造の事業領域を拡げ、脱炭素・サステナブル社会の実現に寄与する技術・サービスの創出に取り組んでいます。

その中でもスマートクラウドを導入しているT-Base®では、今まで建設現場でしか行えなかった施工管理業務をプラットフォームでの生産管理に変革することで、現場の生産性の向上・労働時間の削減・建設業の環境貢献に取り組んでいます。

スマートマットクラウド導入前の課題を教えてください

産業廃棄物のCO2排出量の算出が困難

晝間さま:

産業廃棄物のCO2排出量を算出するのが難しいという課題がありました。

例えば、発泡スチロールを袋に入れる時、そのままの状態でいれると体積を取ってしまいますが、押し固めた発泡スチロールだと体積が少なくなります。よって同じ体積でも、廃棄物の重量を調べないと正確なCO2排出量を算出できませんでした。

正確にCO2排出量を算出するためには廃棄物の重量データが必要ですが、従来の管理方法では体積単位の立米(㎥)で管理することが一般的で、重量を計測する手段がありませんでした。

*立米(㎥):りゅうべい。立方メートルのことで、体積の単位。 1立米は縦・横・高さがすべて1mの箱の体積と同じ。主に建築業界、水道、ガス業界などで立方メートルと同じ意味で使われる。

T-Base®で排出される廃棄物。スマートマットクラウド導入後は、リサイクル効率を上げるために6種類に分別している

 スマートマットクラウドを知ったきっかけは何だったのでしょうか?

晝間さま:

東京都のプロジェクトで協力している株式会社digglueからの紹介がきっかけでした。その後、スマートマットクラウドの公式サイトを通じて問い合わせをしました。

 導入するにあたって他に検討した方法・ソリューションはありますか?

晝間さま:

他社のソリューションも比較しましたが、計測の正確性やデータの使いやすさの点でスマートマットクラウドが優れていると判断しました。

 スマートマットクラウドを選んだ決め手は何でしたか?

シンプルな設定と充実した機能
優れたサポート体制でスムーズな導入が可能 

晝間さま:

まずは、シンプルでわかりやすい設定と充実した機能、そして価格ですね。必要なデータを的確に提供してくれる点。データの見やすさや、グラフ機能も充実していると思いました。

また、レスポンスが早く、少しでも疑問があれば丁寧に対応していただける点、優れたサポート体制も良かったです。

 スマートマットクラウドの導入により、どのような成果を期待していましたか?

廃材管理の効率化と作業負担の軽減

晝間さま:

最初は秤に載せてマンパワーで量れば良いと思っていましたが、データに書き起こしたり、システムを連動させるなど、手作業では複雑な側面がありました。

スマートマットクラウドなら、このような課題を解決してくれるのではないかと期待しました。

廃棄物の下にスマートマットを設置することで、廃棄物の重量をリアルタイムで自動計測

 現在スマートマットクラウドでどういった物品を管理していますか?

晝間さま:

産業廃棄物、特にプラスチック類を管理しています。プラスチックを再利用できるようにリサイクル可能なものとそうでないものを6種類に分けています。

digglueのサービス(MateRe)とAPI連携し、廃棄物の重量(出庫量をスマートマットクラウドから連携)をベースにCO2排出量を算定しています。

MateReとAPI連携し、廃棄物の重量からCO2排出量を見える化

導入してどのような効果や改善が見られましたか?

産業廃棄物の重量測定が可能になり、CO2排出量の見える化に成功
意識改革や企業イメージ向上にも

晝間さま:

今までは、立米(㎥)単位での管理であったため、重量を計測するためには袋詰めされた物を1個ずつ計測し、メモするしかありませんでした。スマートマットクラウドを導入することで、計測の手間が掛からないだけでなく、メモやデータ入力の負担なども改善されました。

また、今まで計測できていなかった物が計測できるようになったことも大きなメリットです。

さらに、高頻度で計測が出来るので、どの作業でどれぐらいの産業廃棄物が排出されているのか知ることで対策を講じることが出来ています。

産業廃棄物の管理方法とCO2 排出量の可視化を実現したことで次のような具体的効果を実感しています。

 正確なデータ収集

従来は、廃棄物の体積・立米(㎥)で管理していましたが、スマートマットクラウドによって重量に基づいたデータ収集が可能になり、より正確な CO2 排出量の算出が可能になりました。

データに基づいた改善

スマートマットクラウドのデータに基づいて、リターナブル梱包への切り替えなど、廃棄物削減に向けた具体的な対策を検討できるようになりました。

意識改革

スマートマットクラウドで廃棄物の計測をすることで、従業員の環境意識が向上し、分別作業が徹底されるようになりました。

建設現場では、プラスチック廃棄物を1種類または2種類に分別することが一般的ですが、スマートマットクラウド導入後は6種類に分別するようになりました。

作業員は分別に戸惑いながらも、計測を意識することで分別を徹底するようになったとのことです。

今回のスマートマットクラウド導入の取り組みがどんなことに繋がりましたか?

東京都「革新的技術・ビジネスモデル推進プロジェクト」の一環

晝間さま:

今回のスマートマットクラウドの導入は、東京都の「革新的技術・ビジネスモデル推進プロジェクト」の一環でした。現在、スマートマットクラウドが導入されているT-Base®は、弊社中期経営計画の成長戦略に基づく実施策である「T-Base®プロジェクト」の中核施設であり、現場の方をはじめとした社内外の多くの方々が視察に来られます。    

その際に、施工管理の面からも環境負荷低減へ貢献できることを感じていただくことができているのではないかと思います。

建設現場の施工プロセスの変革に取り組むT-Base®。現場を問わず共通する部分や、繰り返し作業となる部分を標準化し、現場とは離れた場所で生産・供給に取り組む

スマートマットクラウドの活用について、今後の展望や期待することなどを教えてください

晝間さま:

スマートマットクラウドが得意とされている在庫管理の部分で活用を検討しています。一般的なボルトやナットなども管理していこう、という方針です。

今後広く社内展開していく計画や予定はありますか?あればその背景も教えてください

晝間さま:

社会課題である環境問題を解決するためには、CO2の見える化は必要不可欠です。現在導入しているオフサイト拠点だけでなく、建設現場へもスマートマットクラウドを導入して、ボトムアップ式でCO2排出量を見える化することで解決案を導き出していきたいと思います。

期待する改善点や追加機能などはありますか?

晝間さま:

建設業界は基本的に屋外での使用が検討されるため、防水、防塵機能があると嬉しいですね。

インタビューへのご協力、誠にありがとうございました。高砂熱学工業さまは、スマートマットクラウドを活用して、廃材管理の精度向上と環境負荷低減を実現しました。さらに、東京都プロジェクトへの参画を通じて、CSR活動やSDGs達成にも貢献できたとのお声、大変うれしい限りです。廃材管理に課題を抱えている多くの企業さま、現場スタッフの皆さまのお役立ちができますよう、今後も努力してまいります。