鈴木さま:
弊社は2021年の4月2日に設立、2022年4月より託送供給*を主体として事業を開始しております。都市ガスの小売事業者さんから依頼をいただいたガスを弊社・東京ガスネットワークのパイプを使ってお客さまにお届けしています。
我々、北部事業部では、東京北部、埼玉県、高崎市、宇都宮市、熊谷市などのエリアを管轄。託送供給に使用するガス管の建設や維持管理、宅地内のガス設備をお客さまからのご依頼により新設・改修といった業務を担当しております。
*託送供給:ガスを供給する事業者(託送供給依頼者)のガスを、当社の導管で受け入れて、同時に受け入れた場所以外の地点で受け入れた量と同量のガスを当社の導管から供給するサービス(東京ガスネットワーク株式会社ホームページより引用)。
弊社では、数多くの工材(工事に使う材料)を抱えています。似たような工材もたくさんあるのですが、その数多くの工材を二人の担当者が目視で数えていましたが、そもそも大変な時間がかかるうえに、数え間違い等が発生すると適切な在庫管理ができなくなってしまいます。
また、管理している倉庫は夏は暑く、冬は寒いため、過酷な状況下で長時間作業をしてもらうのも問題でした。
ガス漏れなど緊急保安の場合、作業担当者が工材を持ち出す際の伝票の記入漏れ等により、数が合わず、誤差が起きるという課題もありました。
工材は会社の財産です。その数が合わないということは、正確な決算ではないということになってしまいます。
ただし、すぐに現場に行かなければならない緊急時に伝票を記入するということが、対応の足かせになってはいけません。そこをどう両立させるかっていうのはなかなか難しいと考えていました。
夏には40°c近くまで温度が上がることもある倉庫で担当者は作業をしていた
髙司さま:
資材管理業務にかかる時間や肉体的な負担が増えていくなかで、どうにか業務を見直せないか?ということが課題として浮上しました。
そんな時、RFIDを使った管理を始めた部署があったので具体的な運用方法などを見学させてもらいました。実際に見てみると、RFIDはタグを付けたり、読み取る作業も「ちょっと面倒で、弊社の工材管理業務には適さない」という結論に至りました。
そこでインターネットなどで調べた結果、重量計測という方法を見つけました。いろいろと重量計測について調べていく中でスマートマットクラウドを見つけ、設定も簡単だということ、弊社の環境面を考えた際に特にWi-Fiを設置するだけという点が魅力的でした。
髙司さま:
同じような重量計測のソリューションも比較検討しました。
ただそのソリューションは金額的な問題に加えて、倉庫内の暑さに対する耐久性や防犯面においても、ちょっと厳しいのではないかという懸念がありました。
また、弊社で扱う10g未満の工材を重量で正確に管理できるのか、という点も不安でした。ただ、実際にエスマットの内田さんに来ていただき、スマートマットクラウドのデモンストレーションを拝見させていただき、不安や懸念は解消できました。
髙司さま:
実際にデモンストレーションで拝見して、まずは懸念だった正確性の面で安心できたことです。10g未満の工材でも正確に管理できるということに驚きました。
使い方の面においても、もっと難しいかな?と思っていましたが、工材をマットに載せるだけ、あとはクラウドで管理、管理画面を開けばいつでも確認できるという点も決め手でした。
また、マットのサイズ展開も豊富なので、サイズが選べる、設置する場所幅も取らないというのも良かったですね。
数えるのが大変だった小さくて数が多いものもスマートマットクラウドなら正確に管理
今まで目視で棚卸していた工材をスマートマットクラウドを使って自動化しています。
具体的には、出入庫の多い工材を選んでスマートマットクラウドで管理しています。工材の重さは10g未満のプラスチック製品から1kg以上のものまでさまざまです。
今まで人の経験や勘に頼っていた管理業務をスマートマットクラウドの導入により数値化できたことで、〝ヒト・モノ・カネ〟の削減効果がしっかり見えるようになりました。
目視で行っていた棚卸作業が大幅に削減されただけでなく、頻発していた数え間違いもなくなりました。
夏場は暑く、冬場は寒くなる倉庫内の棚卸作業や発注数量の確認は想像以上に辛く、担当者の負担も大きかったという課題。こちらもスマートマットクラウド導入後は倉庫内の滞在時間が減り、大きく改善できました。倉庫から離れた事務所で遠隔で確認、作業ができるので担当者の負担軽減に繋がりました。
また、導入前は工材を数えやすいように並べる手間がかかっていたのですが、導入後はこの作業も必要なくなりました。
導入前は毎回並べて置いて入庫していたが(画像左)、導入後は容器の中にただ入れるだけに(画像右)
髙司さま:
以前は、週1回2時間半ほどかけ発注作業を行なっており、また発注量も担当者の経験や勘で決めていました。
導入後は、工材ごとに閾値を設定、値が下回ったら自動で通知されるので、発注が必要な工材の数量把握が簡単にできるようになりました。
数量確認の時間が削減されただけではなく、過剰発注や発注ミスもなくなり、大いに効果を実感しています。
髙司さま:
具体的な数字としては、導入前は集計品(比較的高額なもの)のみ日次棚卸を1日2回、2人で1回30分かけて行い、月次棚卸を、2人で1回3時間かけて行っていました。
さらに週1回は1.5時間ほどかけて行なう発注作業と、1.5時間ほどかかる入庫時処理(並べて置いておく)もありました。
導入後は、それらの作業工数が大幅に減り、全体では月で20%もの削減になりました。
髙司さま:
経理観点では、在庫金額や不動在庫の見える化にも効果を感じています。新しい管理画面で在庫金額の入力もでき、90日以上動いていない在庫などもすぐにわかります。
実際に過剰在庫や滞留在庫が約20%減り、在庫金額としては月平均で50万円ほど減らすことが出来ました。
データとして数字で見えると、在庫数の見直しを現場の方にも相談がしやすく、担当者の経験頼りになるということがなくなりました。
望月さま:
現場でもグラフ画面から余剰在庫がすぐに分かるようになったので、それを見ながら発注作業をし、在庫を減らしました。
髙司さま:
現在、自社の工材管理システムをいろいろと見直しています。2025年を目指して、この工材システムとスマートマットクラウドをRPAで連携し、自動発注を実現しようと考えています。自動発注が実現すれば、さらなる発注工数の削減につながると思います。
鈴木さま:
冒頭の課題の部分でお話した緊急保安の伝票処理の課題もスマートマットクラウドで改善できそうなので、これからの運用の中でそちらも進めていきたいと考えております。
保安業務を円滑にすることで、緊急事態が起きた際にも皆さまの生活を守ることを下支えすることで、社会貢献していきたいと思っております。