今回は、スマートマットクラウド導入にいたるまでに在庫管理・発注業務で抱えていた課題や導入の経緯、導入後の感想などのお話をビジネス開発本部 第三部門 IoTサービス推進ご担当の宮脇さま、そして板橋サービスセンターご担当の前川さまのお二人にお伺いしました。
「電話が使えなくなった」等のトラブル発生時に、即座に駆けつけ物品を交換するなど、お客さまに起こったさまざまなトラブルに対処し、お客さまのサービス満足度向上を目的とした業務に従事しています。
メイン業務は故障の際の修理対応ですが、加えて営業活動のサポートなども行なっています。
細かい部品類の管理における担当者の負担軽減に課題がありました。板橋サービスセンターでは多くの故障交換用の保守パーツを保管していますが、細かな物品が多い中、「在庫切れ」のないように、在庫管理にはかなりの時間を要していました。
在庫点数としては数百種類以上、一番軽いパーツで1個当り数グラム、重いパーツでも数十グラムというような細かい物品の一つ一つを在庫管理する必要があります。
週にバラつきはありますが、平均的にみると週に3日ほど1時間くらいの時間を割いています。
具体的な課題として、保守パーツを保管している倉庫は離れた所にあり、物品管理者がその都度、倉庫に出向き、目視で実際の数と相違ないかを数え、バインダーなどに記載するというアナログな在庫管理プロセスに依拠していました。
在庫管理プロセスに関してはルール化が進んだこともあり、欠品を起こすという事態は発生しておりませんが、とにかく欠品にならないように…と物品管理者は肉体的にも精神的にも負荷が大きかったです。
お話してきました通り、サービスセンターの現場担当者から在庫管理に関する課題や相談を受けている中、「何か良い方法はないか?」と様々なソリューションの導入や比較検討を行って参りました。
そんな折、東京ビッグサイトで開催されたIoT展示会でスマートマットクラウドのサービスを拝見したのが最初のきっかけです。
IoT展示会のブースで、スマートマットクラウドが実際にどういった企業の課題解決をサポートすることが出来るかを詳細にヒアリングさせて頂き、当社の在庫管理の課題を解決する方法として前向きに検討することになりました。
専門技術が必要ないこと、コスト面が導入の決め手でした。
実はスマートマットクラウドと同時に、RFIDやバーコード、AIを使った画像認識ソフトなど…別の方法も検討していたんですね。
それらの他ソリューションと比較検討を行った上でのスマートマットクラウド導入の決め手は以下の2点になります。
・専門的な技術が必要なく、運用面でも安心
・導入コストが他ソリューションより安価
AIや画像認識ソフトですと、全体設計を含めて色々と検討が必要になってきますが、まずは、「在庫数をしっかり確認する」といった課題に最もストレートに合致する点を評価してスマートマットクラウドの導入を決定しました。
発注点を下回ったらメールで通知されるようにしています。
スマートマットクラウドで1日4回、定時計測を行い保守パーツ部材の数量確認を行っています。その4回の計測時で、どこかで最低在庫数の閾値(しきいち)注*を下回ったら、物品管理者にメールで知らせが届くように設定しています。
メールが受信後、スマートマットクラウドのソフトウェアから閾値(しきいち)以下の物品情報をRPAを経由して抽出し、社内の発注システムへ自動で転記・発注を行うという形で運用しています。
注*閾値(しきいち):発注点。スマートマットクラウドは、残量一覧ダイジェストメール(一日一回)や閾値(しきいち)到達時の通知、発注通知などを受け取ることができ、管理画面にアクセスしなくても在庫数量の把握が容易に可能です。
遠隔での確認で大幅な可動削減になりました。
スマートマットクラウドの導入により、担当者が都度離席して、離れた倉庫まで行かなくても、どの物品が無くなりそうかをデスクから確認可能な点、これは本当に助かっています。
目視確認にも補助的に実施しますが、事前に閾値を下回っている物品を集中的に確認すれば済むため、週3日、各1時間の頻度で実施していた在庫確認の工数が、導入後は週1回・30分~1時間程と、確認工数が約1/3まで圧縮出来ました。
加えて、当社の発注システムとRPA連携を行うことで、従来3名の物品管理者数を1名に減らし2名分の稼働削減が見込めると想定しています。
実際、現場で在庫点検業務を行う担当者からも「席を離れなくても物品の在庫数が把握できるのは助かる」、「膨大な物品の中から、変動の少ない在庫の洗出しも実在庫数に基づいて抽出が出来るようになった」というポジティブな意見も出ております。
さらに、ピッキング担当者からは「取り出しの都度、出庫伝票に記載する必要がないため、記帳漏れの心配が無くなり、取り出しがスムーズになった」という意見も出ていますね。