人の入れ替わりと、それに付随して起こる採用や教育に難しさを感じています。転職が多い業界の中で、当院のスタッフ定着率はかなり良い水準にあると思っています。
ただ良い人材の採用にこだわりたいため、応募数の割に面接の合格率が低くなってしまっていて。
すでに働いてくれているスタッフが本業以外で忙しくなりすぎない方法を考える必要がありました。
雑務に人手がかからないように、引き継ぎが発生しないように、と可能な限り業務の機械化をすすめています。
機械化できるものは全て機械化する、という方針を持っています。
開院当初は、人事・労務・経理を私がひとりでこなしていたため、身動きが取りやすくなる部分を優先で進めました。
具体的にいうと、手間が一番かかる予約システム、POSレジ、そのあとが人事労務システムの順ですね。
その後、課題感が強かった在庫管理に着手しました。
ここまで自動化を進めることによって、私もスタッフも雑務を減らすことができ、かなり楽になりました。コスト面でのメリットも感じています。
開院以来、在庫管理はずっと重い課題でした。
スマートマットクラウド導入前は、看護師に通常業務と兼任で在庫管理をお願いしていました。
まず人の入れ替わりがある度に、説明をする教育コストがかかり、それが一番の負担になっていました。
また月に1回、クリニック総出で在庫の点検をしていたのですが、これが非常にマンパワーがかかる仕事で。誤差が出ても理由が判明しないという問題もありました。
医薬品はケースに入れてスマートマットクラウドで管理
対策として、在庫管理を専任で担当する事務長を採用したこともありましたが、ミス撲滅には至らず、結局うまくいきませんでした。
採用コスト・教育コスト・人件費をかけても、ミスがなくならないのであれば、在庫管理は機械に任せるのがベストという結論に至りました。
システムの導入を決意してから、ずっと探していました。これだと思えるものはなかなか見つからなかったですね。
当院はSNSでの集客に力をいれていて、インスタグラムにスマートマットクラウドの広告が流れてきたのが、きっかけです。改めてサイトで検索をかけ詳細を確認し、機能的に信頼できそうだと思い、連絡を取りました。
コストです。
見積もりを見て、人で管理するより断然費用がかからないことが分かり、即決しました。
冷蔵管理やリモート管理ができるシステムという点も決め手になりました。
スマートマットクラウドの管理画面
最近追加で導入をし、院内のスマートマットは110台になりました。管理しているものはほとんどが医薬品です。
最初は全体の7割の管理でスタートをしたのですが、コスト削減のメリットを実感できたので、追加を決めました。
院内販売品は外箱が似ていて管理ミスが出やすいアイテム
やはり部分的な導入よりも、全自動に近づけた方が効率が良くなりますね。これまで以上にスタッフに余裕を持って仕事をしてもらえるようになりました。
在庫管理にかかる時間が従来の1/3以下になっています。時間だけでなく、雑務に仕事を中断されるストレスがなくなりました。
例えばヒアルロン酸やボトックスは温度管理が必要で、冷蔵庫の中で保管しています。
ボトックスの使用にはびんに入った菌を院内で溶かし、シリンジに小分けにする作業が必要です。使い切れる分量だけしか作ることができず、足りなくなっていないか1日3回、別のフロアまで階段で移動して、冷蔵庫の扉を開け確認していました。
冷蔵庫内の医薬品管理の様子
冷蔵庫内に置けて遠隔監視もできるスマートマットのおかげで、面倒な確認が不要になりました。残りが少なくなると看護師の元に通知が届き、スムーズに補充ができるようになったので便利ですね。
これから開業される先生の中には、「在庫は人が管理した方がお金がかからないのでは、簡単なのでは」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
私の場合は、実際に手動での管理を試して、結果を見てきたので、システムを入れることに迷いはありませんでした。
人による在庫管理は効率が悪く、機械よりもコストもかかると断言できます。
他のクリニックでは社内盗難があると聞いたことがあります。
ほとんどのクリニックで転売可能な化粧品を扱っているので、珍しいことではないのかもしれません。
もしそうした悩みがあるのなら、スマートマットで高額な院内販売品を管理することが抑止力になるのではないでしょうか。
出来心を起こさせない環境を作ることも、管理者の大事なつとめと思います。
クリニック経営で一番大変なのが、人の管理です。
在庫管理専任のスタッフを雇う必要がなくなる方法。看護師の雑務を減らす方法。
その答えがスマートマットクラウドでした。
雑務を減らし働きやすい環境を整えることで、スタッフの定着率が良くなります。
優秀なスタッフに長く働いてもらうという観点からも、スマートマットクラウド導入は正解だったと感じています。