弊社はポリエチレンの製造販売を行っています。具体的には、生のポリエチレンのほか、ポリエチレンに添加剤を加えた製品や架橋剤を添加した高機能製品の製造から販売までを担っています。
長谷川さま:
品質保証、品質チェックのための試験分析を担当する部署では、試験に使うさまざまな備品、不足してしまうと試験を継続することができなくなってしまう重要な備品を管理しています。
たくさんの人が多くの時間をかけて備品を個数確認。いわゆる〝人海戦術〟で行っていたため、どうしても無駄も多かったんですね。
毎月、担当者に「チェックしてください」という連絡をして、担当者が紙を持って現場に入って確認し、紙に記入。それをさらにExcelに入力するというやり方でした。
人が行うことですから、やはり入力ミスや連絡ミスによる確認の遅れなどヒューマンエラーが発生していました。
また、JIS規格にのっとった試験を行っているので、規格をクリアしなければ出荷できません。JIS準拠で細かく決められてるものを使用しなければ、試験結果が変わってしまうということもあり得ます。
ですから試験分析に使用する備品は代替では済まされません。JIS準拠も守らなければいけないという点でも発注漏れによる欠品は絶対にあってはならないということです。
作業が滞り、出荷が遅れれば顧客のみなさまへ迷惑がかかり、信頼喪失に繋がってしまいます。
そういった点でも在庫管理、発注を自動化し、ミスを防止することが重要な課題でした。
何か良いアイディアはないか?自動化できないか?ということをずっと探っていましたので、在庫管理・発注業務に関しての情報収集も含めて展示会に行きました。
スマートマットクラウドに関しては事前に情報収集して知っていたというわけではありませんが、偶然展示会で巡り合いました。
もともと在庫管理を解決することのみに特化するソリューションを探していたわけではなかったので。
在庫管理の課題に加え、もう一つ、特定の人にしかできない業務を自動化し、属人化を解消したいという想いがありました。
この二つの課題を念頭に置いて、展示会に足を運びました。
A6~A3まで幅広いサイズで、多種多様な在庫と管理空間に対応可能
まず、コンパクトな電子はかりに乗せて、重量で個数を自動で検知してくれること。さらに、個数が少なくなったらメールで通知してくれるという点です。自分たちが多くの人力ををかけて数を数えていたことをすべて自動でやってくれることに驚きました。
これなら、業務圧縮ができそうだ、まさにこれだ!と思いました。展示会の後に、すぐに担当営業の方に実際に来ていただき、より具体的な話を伺うという話になりました。
決め手は簡単に始められそうな点です。例えば備品を管理している棚など保管場所を大きく変えなくても、導入できるということ。システムに登録さえしてしまえば、あとはマットの上に管理したい備品を載せるだけという手軽さですね。
また弊社で使用するシステムは、セキュリティを重視していることから、こういった新しいソリューションを導入する際に、セキュリティに関して厳しい審査があります。そういうハードルがかなり高い中で、スマートマットクラウドは、セキュリティ面でも基準をクリアしているため、安心して利用できるクラウド環境だったので、そこも決め手になりました。
試験に使う専用のピストンと呼ばれる器具や水分を測るための容器などです。あとは試験管、手袋やペーパー系のものや水などの消耗品を管理しています。
重複発注が頻出していた手袋やペーパー類などの消耗品にスマートマットを活用中
具体的には、手袋やペーパー類などの消耗品は、みんなが使う物なので共通する場所に保管しています。これまではなくなったと気づいた人それぞれが発注してしまい、重複発注が起きていました。
それがスマートマットクラウド導入後は、発注通知がされるので、重複発注がなくなりました。重複発注による余計なコストを削減ができたことはとても大きいです。
また、これまではどうしても現場に確認に行って、物がなくなっていたら発注しなければなりませんでした。確認後、現場から席に戻るまでに他の作業が入ってしまったり、他の人に話しかけてしまって、発注することを忘れてしまうということが多々ありました。
今は現場に確認に行かなくてもメールで通知が飛んでくるだけなので、そういったミスもなくなり、欠品による試験の遅延解消にもつながっています。
具体的な数値に換算すると、大体月1回の棚卸を16人で約6時間半かかっていましたが、スマートマットクラウド導入後は、基本的に担当者が画面を見るだけで管理できています。
つまり、これまで6時間半かかっていた棚卸の時間が、画面を確認するためのわずか5分くらいで完了しているということになります。
また、担当者が行っていた確認作業や紙の記入、Excelの入力にかかっていたおよそ1時間も削減できています。
在庫管理に関わるこれだけの労力を削減できた分、主業務の検査に集中することができるようになりました。生産性向上にもおおいに寄与しています。
欠品防止はもちろんですが、あとは見積もり取得まで表示することで人が関わる作業をもっと軽減していきたいですね。
あとは在庫の適正化。おそらく重複注文してる部分がまだ往々にしてあると思いますので、その部分をマットで取得したデータから割り出し、削減していきたいと考えています。
現在、マットに載せきれない薬品関連やどうしても重たくて管理部屋に持っていけないものを除いて、全体の3割ぐらいをスマートマットクラウドで管理しています。
特に薬品は直近でも誤発注が発生していますし、試験上、大変重要なので、ちょうど良いサイズのマットがあれば導入したいと思っています。