導入事例|スマートマットクラウド|在庫管理システム

ベテラン担当者の経験や現場との連携主導の在庫管理から、データを活用したしくみへシフトし、梱包資材の管理オペレーションを効率化

作成者: Admin|Sep 11, 2024 5:11:33 AM

 

ディーゼルエンジンの開発・生産移管に伴う補給事業の拡大

サービスパーツの供給を担当

今回お話を伺った生産管理部 補給品グループでは、市場に出荷した製品の修理や交換に使用するサービスパーツの供給を担当しています。部品手配・生産計画・出荷管理などの業務を通じて、納期遵守と無駄のない効率的な管理を両立させることを目指しています。

 

補給事業拡大による変化

当社はこれまでトヨタ自動車株式会社と共同開発したエンジンの製造を行ってきました。しかし、2014年以降、トヨタ自動車株式会社からのディーゼルエンジンの開発・生産移管をすすめており、取り扱い製品の幅が広がっています。それに伴い、管理するエンジン部品の点数も増加する状況にあります。

ベテランの経験に頼ったオペレーションには限界がある

受注増加への対応

製造メーカーは、通常、市場に出荷した製品の製造が終了した後も、一定期間、サービスパーツを供給し続けなければなりません。製造メーカーには、市場に出荷する製品と同様に、顧客から提供される需要予測情報をもとにサービスパーツの生産計画を立案し、納期どおりにサービスパーツを供給することが求められる一方で、サービスパーツの特性上、サービスパーツやその構成部品、梱包資材の調達・保管管理の難しさといった重要な課題に対処することが必要です。「サービスパーツの特性上、需要予測が困難であり、受注との差異が大きい場合は、頻繁に生産計画の見直しや進捗管理が必要になります。そのため、生産管理部門と物流部門が協力し、実在庫を定期的に棚卸し、人手中心の作業で管理していました。」(川崎様)

 

ベテラン担当者に頼ったオペレーション

顧客の需要予測と受注実績が乖離する場合、部品や包装資材の手配計画を見直し、調整する必要があります。「既存の在庫管理システムには、梱包資材の所要量を算出するしくみがなかったため、担当者は、日々の在庫消化状況を確認しながら、補充量や追加手配タイミングを判断していました。季節性や出荷先などの条件を考慮し、ベテラン担当者の経験を頼りに現場と連携しながら対応していました。」(杉浦様)

また、梱包資材の在庫保管場所が事務所から離れたエリアに点在していることもあり、実在庫の確認は物流部門に依頼することが多く、紙のかんばんを使用して在庫量を把握していました。このような在庫管理方法では、定期的な巡回が必要となり、担当者の負担となっていることも課題でした。

 

欠品や納入遅延リスクへの対応

サービスパーツを納期通りに提供するためには、部品や包装資材の納入状況を正確に把握し、迅速に手配計画と生産計画を調整することが必要です。「欠品や納入遅延のリスクを低減するためには、部品の発注や生産計画の調整をベテラン担当者に頼らず、現有人員で業務を維持していく必要があります。そのためには、日々の変化に対応できるよう業務を標準化し、多様な働き方に柔軟に対応できる職場づくりも必要不可欠です」(杉浦様)

Smartmat Cloudでモノの動きを可視化

Smartmat Cloudによる梱包資材の発注タイミングの最適化

今回は、梱包資材に対してSmartMat Cloudを導入することで、実在庫や在庫推移を可視化し、発注タイミングを適切に見直しすることが可能になりました。紙のかんばんでは管理できなかった過剰在庫や、在庫の消費ペースの変化も素早く把握できる様になりました。

 

発注システムとの連携による効率化

RPAを活用し、社内の発注システムとの連携も開始しました。「発注量の算出や発注システムへの入力作業を自動化することで、発注作業の進捗状況や納入計画を部門間や作業者間で情報共有できるようになりました」(杉浦様)

Smartmat Cloudの導入効果

担当者の作業負荷の軽減に貢献

今回の取組みにより、工場内での巡回や外部倉庫への移動、棚卸作業が減少し、生産計画の立案業務や進捗管理業務に集中することが可能になりました。さらに、発注業務の標準化により担当者の作業負担も軽減しました。

 

保管スペースの低減効果も

「基準在庫の適正化や1回あたりの発注量の見直しを進めることで、在庫保管スペースの低減効果も実感できるようになってきました」(杉浦様)

将来は梱包資材メーカーとの連携も目指したい

スモールスタートで標準化を積み重ねていくことが重要

今回の取り組みを振り返り、生産管理部 椎野様は次の様に評価しています。「関係部門と協力し、スモールスタートで成果を確認しながら進めることが重要。既存システムでカバーできない非効率的な作業は標準化していく必要があると考えており、今回の取り組みで、その一歩を踏み出すことができたと考えています。」

 

梱包資材メーカーとの連携にも挑戦

将来に向けた更なる取り組みとして、「サービスパーツの分野では、梱包資材メーカーもまた、在庫管理に課題を抱えていると思います。梱包資材メーカーと在庫データを共有することで、手配リードタイムの短縮などの効率化に挑戦していきたいと考えています。」(杉浦様)